今までも尺イワナがよく釣れる事からたびたび訪れている里川。最大記録は44cmとポテンシャル自体は高い事は知っていました。そこで大イワナ一点に狙いを絞ってこの川を調査することにしました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
Day2:雨後の川は沸騰していた
前回から3日後の昼下がり、快晴ではあるものの前日の雨の好影響を期待しながら入渓。今回から本流用の大型ネットを携えて釣り上がります。雨の影響で前回より冷たく感じる水温とやや上がった水位はかなり好都合で、実際に前回反応のなかったポイントでも多くの反応が得られました。
小型の反応しか見られないポイントは、すぐにパスして早いテンポで遡行していきます。そんな中、前回バラしを連発したポイントに到着。落ち込み脇の反転流に5cmのチャートグリーンのシンキングミノーを投げ込みフォールさせているといきなり引き込まれるライン。
すかさずアワセを入れますが、乗らず。しかしその日の高活性からまだ出るのではと感じ、7cmの大型シンキングミノーに切り替えて同じ反転流にキャストし、少しラインを送り込んで軽くジャークさせます。
2度目のジャークで茶色の影がミノーの真下から浮上してミノーを引き摺り込みました。新品のフックは、期待通りに仕事をしてくれたようで、向こうアワセでがっちりフッキングが成功。
強気のゴリ巻きで大きなネットに滑り込ませたそのイワナは、尖った顔つきで前回の42cmとはまた少し違った趣の体色ながら銀毛は全く無し。サイズも40cmジャストで文句なしでした。その後も尺上クラスを各所で連発、そうこうしているうちに前回退渓したポイントまで辿り着きます。
アグレッシブなイワナの猛攻
ここからが未踏区間ですがしばらくは小型ヤマメから尺イワナまでコンスタントに釣り上げていきます。上流の山に近づくにつれて、里川風景から徐々に人工物の少ない苔むした渓相に変化。
最後と思われる堰堤に辿り着き、今度は45mmピンクバックのミノーに切り替えて落ち込みから手前のかけ上がりにかけてトレースしていきます。着水してすぐトゥイッチをかけながら引いていくと、死角になる手前の岩陰からイワナが勢いよく飛び出してきます。
水面を割るそのバイトは空振りでしたが、40cmを超える魚体で迫力満点。すかさず再キャストするとまたゴボッっと空振りバイト。そこで6gのチャートグリーンにミノーを切り替えて、少しだけ沈めて再び同じラインをトレースしていきます。
期待通りすっ飛んできたそのイワナ、今度はがっちりミノーを咥えてくれました。フッキングを決めるとグイグイと上流に向かって猛ダッシュするそのイワナのパワーは想定より強く、油断すればラインブレイクも有り得るほどでした。
ネットで掬おうとすれば右へ左へ走り回りしぶとく抵抗しますが、何とかネットイン。撮影のため、浅瀬に移動してフックを外そうとネットを覗き込むと、そこには今まで釣った中でも最も黄色いイワナが息を荒げていました。
サイズは43cm、太い魚体から繰り出された剛力によって、フックはグニャリとひしゃげていました。ここまでキャラの立ったイワナにはなかなかお目にかかれないのですが、改めてこの川のポテンシャルに驚かされました。