ワームのカラーには大別して、クリア系とソリッド系がある。ソリッド系は「スチールカラー」とも言われ、ワームを光にかざしたときに向こうが透けて見えない、たとえば白や黒などのカラーだ。このスチールカラーは曲者で魚が極端に嫌うこともあるが、そうでなくドハマりすることもあるから面白い。筆者の経験からソリッド系の3色を推奨したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
非クリア系のワームカラー
ソリッドカラーやスチールカラーなどの非クリア系・固形物っぽいカラーのワームは、使いどころを選ぶ。無難にいくなら、アジやメバル相手にはまずアミカラー(赤系、飴色系)や、多少ラメが入ったクリア系がファーストオプションとなる。白や黒は、まったく逆とも言っていいカラーだ。
クリア系は水中で光を透過し、ナチュラルに水色に溶け込んで、小魚やプランクトンを模す。対してスチールカラーの白や黒はというと、光を透過しないので、水中で黒っぽく見えるのだ。すなわち、おそらく魚の眼にも同様、「固形っぽい何か」に見える。小魚の群れの中で目立たせるベイトフィッシュパターンでは良いかもしれないが、はっきりとしたプランクトンパターンのアジやメバルの群れには、無視されてしまう。
目立たせる場面で使おう
非印象的なクリア系よりも、水中で黒っぽく見えるアピールと考えれば、上述のようなベイトフィッシュパターンでも使えるが、その他にもスチールカラーには出番が少なくはない。「ワームを目立たせる状況で使う」というものだ。たとえば満月回りで魚が散ってしまっているときには、ボリューミーなスチールカラーは魚に見つけてもらいやすい。ヘッドウェイトの軽重でアピール度も調整できる。
筆者は次のような場面で、スチールカラーを使用することが多い。
・ベイトフィッシュパターン(やや重量級のヘッドと組み合わせて)
・満月回りで魚が散っているときのパイロットワーム
・スレきったと思うときの最後の一尾をリアクションで釣るとき
皮算用みたいな話だが、高活性のプランクトンパターンにも悪くないのではないだろうか?ヘッドを軽量化して、じーっと固形の塊のようにスチールカラーのワームを見せてやれば、空腹の魚がバクついてくることもあるかもしれない。
アピールで考える3選
では続けて個人的に実績の高いスチールカラーと、その理由を想像を交えて説明したい。
白
無垢な白はよく釣れるスチールカラーではないかと思う。特に満月回りのメバルにはよく効く。黒と並んでシルエットが出やすいカラー。ではなぜ黒を使わないのかといえば、釣り人側の眼で視認しにくいから……。
ピンク
自然界にはほとんど存在しない色、ピンク。南国の海にいけば珊瑚礁なんかで発見できるかもしれないが、都会の魚の眼には妙ちきりんなものと映りそうだ。これは純粋なアピールカラーとして秀でたものである。メバルやカサゴやタチウオなど、色を識別する魚の反応がいい。夜光が入っていれば尚良い。
紫
パープル、紫。個人的に「ミステリアスカラー」と呼んでいるものである。紫は本当にワケのわからないカラーで、海では強烈に効くことがある。そして、まったくダメということもない(ただ反応が鈍いときはある)。どうやらタチウオの眼には、サバやタチウオ自身の表皮の色素が、紫に見えているらしい。このへんの魚の色覚にも何かしら紫が強いヒントがあるのではないだろうか。
多投注意!スレる!
無難なカラーよりもずいぶんと面白いスチールカラーの話をお伝えした。魚を大きく騙しにルアーフィッシングとしてビッグベイトに黄色なんかが多いように、この手のカラーは良い意味でバカバカしくて良い。
ただ、多投注意ではある。特に不機嫌なときのアジやメバルはラインの水切り音と共に不自然に動くスチールカラーを露骨に見切ってくるので慎重に使いたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>