釣りでは右手左手に別々の役割を与えて使い分けた方がいいと言われる。右利きならば右手でロッドワーク、左手でリーリングせよというわけだ。だが、これは本当にそうだろうか?リーリングは利き手でないと落ち着かない人もいると思う。筆者の私見を述べたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
右利きはリールを左で巻く?
右利きの人は、おそらく感覚的には、右投げ右巻きが最初は気持ちいいはずだ。同様の理由でか、むかーし釣具店で見かけた竿とセットのスピニングリールには、右巻きの仕様しかなかった(左巻きに付け替えられなかった)。おそらく今でも安物はそうではないかと思うのだが。
右利きが右手で投げた方がキャスタビリティがいいのは確かだろう。だが、ことスピニングリールにおいて、左巻きというのは、第一の感覚的にしっくりとくるものではないと思う。どちらも利き手でやりたいはずだ。つまり釣りをやらない人が最初に道具を扱おうとしたら、自然に右投げ右巻きになる、はず。
右利きの人が右投げ左巻きを推奨されている理由は、ロッドワークを利き手でやる方が重要で、リーリングは器用ではない左でもいいとされているから、らしい。ちなみに、聞いた話では、ローターの回り方も、ラインローラーのイトの拾い方も、左巻きを想定しての造りになっているそうだ。右利きが88.5%といわれる日本なので、デフォルトでそうなっていても仕方ないのかもしれないが、そんなことを今さら言われても、とも思う。
とりあえず釣り業界からの基本的な勧めとしては、右利きは右投げ左巻きせよということだ。しかし、筆者はこのへんだけは、実に本人の感覚を優先すべしと思っている。
気持ちよさ優先でOK
右投げ右巻きでも、それでOKだ。わざわざ矯正する必要はない。利き手で投げる方がよく飛ぶし、利き手で巻く方が巻きの感覚は良くなる。これは左利きの人が、左投げ左巻きしても同様のことで、いくらリールや竿がそんな仕様ではないと言われても、別に気にしなくていい。自分の気持ちよい投げ方巻き方が一番釣れるし、何より快適に釣っていられる。やっていて気持ちいいから、釣りが楽しくなる。
ちなみに筆者は右利きで、左投げ右巻きである。もともとは右投げ右巻きだったが、後に述べる「落ちパクが多い釣り」ということで、キャストは左にした。
釣りに求められるのは精度
エサ釣りもルアーフィッシングも、釣りに求められるのは「精度」だ。どこに仕掛けを落とすか、特定の範囲をどのように釣るか。釣りに熟達していくほど、あまり沖は見なくなる。ある程度の範囲に区切って、そこをどのように釣っていくか、という考え方になる。
そういう意味で、「右投げ右巻きはダサい」とか「理にかなっていない」というような議論ほどナンセンスなものはない。まったく釣り場では役に立たない。自分のしっくりとくるタックルワークで釣りの精度を上げていく方が重要だ。