7月22日に愛知県東部にあるヘラブナの管理釣り場を訪れた。この日は夏のヘラブナ釣りを満喫しようと、短ザオで浅ダナを狙っての釣りを楽しんでいく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 戸松慶輔)
メーターウドンセットで大物連発
メーターウドンセットに期待を込めてエサ打ちをしていくと、数投でウキが受けるような動きが出てくれる。ヘラブナがまだ辺りをうろついていたようだ。そろそろくるかと集中してウキの動きを見つめる。
ここでバラケがぶら下がって落ち着いたタイミングで、チャッ!とウキが入るアタリが出てくれた。
すかさずアワせると、魚は掛かっているはずなのに、暴れるでもなく悠々(ゆうゆう)と水の中を泳いでいる感じ。「あれっ」と思いつつ、さらにサオを曲げてテンションをかけると、大物が突如として牙をむいた。
一気に沖や左右に走り回り、ゴンゴンと強く首を振る。活性が高い夏のヘラブナ、しかも大物ともなれば、その引きはものすごく強い。無理なやり取りは極力控えて、サオに仕事をさせるようにやり取りしていく。相手も余力十分でサオを絞っているが、テンションさえ緩めなければ外れないはず。慌てず持久戦に持ち込んでいく。
桟橋の下に何度も突っ込まれそうになりながらもついに観念して、水面に口を開けて浮いてきた。これは大きい。午後の1匹目は、計測の結果41cmという大物だった。
気分を良くしてさらに追加を狙うと、今後は着水直後にウキが寝たまま一気に水面へ引きずり込まれた。食いっ走るアタリにサオを立てると、こちらも大暴れして釣られまいと抵抗する。
無理せずサオでいなしながらやり取りを楽しんで、取り込んだ1匹は先ほどと同サイズ。40cmのヘラブナで大物連発だ。
そこからは少し落ち着く時間帯はあったものの、ポツポツと追加して夏の元気いっぱいのヘラブナとのやり取りを楽しんだのだった。
親子でヘラブナ釣り
ここで周りを見ると、初心者らしき人が親子で釣りに訪れていたので、早速話を聞いてみることにした。
岡崎市から来ていた中村慶太君は、家族と一緒に釣りに来ていた。普段は釣りをあまりやらないようだが、たくさんのブルーギルが釣れているようだ。隣で釣りをしていたお父さんは、偶然にもなんと東レの社員。お父さん自身釣りはほとんどやらないそうで、お子さんの夏休みに合わせて遊びに来ていたようだ。
2人ともヘラブナを釣ったことがないらしく、その瞬間をシャッターに収めるべく許可をいただき、近くで見学させてもらう。
するとほどなくしてお父さんにヒット。ウキが消し込むようなアタリにサオを上げて、お子さんよりもひと足お先にヘラブナを釣り上げた。「人生初めてのヘラブナです」と顔がほころぶ。
さてお父さんに負けてはいられない慶太君だが、ヘラブナがくる前にブルーギルが釣れてしまう。それでも諦めずにエサを打っていくと、ウキがキレイに入る理想的な食いアタリ。
慶太君がサオを立てて見事にヒットに持ち込んだ。レンタルの短ザオが中ほどからグイグイ曲がり込み、力強い引きに襲われる。たまらず慶太君は両手でサオを持って応戦。じんわり魚を浮かせて、初のヘラブナを手にすると「重かったです」と興奮気味に話してくれた。
ウドンセットで安定
無事2人の釣果を見届けた私は、自分の釣り座に戻って釣りを再開する。夕方が近づくにつれて人のプレッシャーが少し抜けたのか、魚の警戒心もやや薄れたようだ。
エサと仕掛けは午後のスタート時のまま、少しだけペースアップして釣果を重ねられた。後半にも40cmクラスの良型が釣れたり、連発も交じったりと夏のヘラブナ釣りを心から楽しませてもらった。
この日は特定のパターンで釣れ続けるという感じではなく、いろいろなタイミングでアタリが出て、絞り切れなかったのは今後の課題だ。夏のヘラブナ釣りと言えば浅ダナで両ダンゴの釣りがハマれば強い。しかし土日などの食い渋っているような状況では、ウドンセットに軍配が上がる日も少なくない。
活発にエサを追いかける夏でも、ヒットに持ち込むにはさまざまな状況判断が必要で、なかなか難しい一面もある。人よりもたくさん釣ろうと思えば難しいヘラブナ釣りだが、夏は活発にエサを追うため、ある程度の匹数ならば初心者でも釣りやすい。
ヘラブナ釣りのベテラン諸氏においては、活性の高い夏の釣りを今後も楽しんでいただければ嬉しいし、逆に初心者の方はヘラブナが釣りやすい季節に強烈な引きと、楽しさを感じていただけたらと思う。
<週刊へらニュース戸松慶輔/TSURINEWS編>