「気軽に狙う」イメージをなかなか持ちづらい中深場の五目釣りだが、駿河湾エリアでは航程30分ほどのポイントで多彩なターゲットを狙えるらしい。そこで今回、清水港の『富士山羽衣マリーナ』からヤマハのシースタイルを利用して出艇。駿河湾の中深場釣りを手軽に体感してきた。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWS編集部）
TSURINEWS編集部
作戦変更
魚の気配は感じられたものの、結果としてハリ掛かりまでには至らない状況。そこで、次の流しでは作戦を少し変えてみることに。
ゼロテンションで待っている際、アタリが大きかったわりにハリ掛かりまで至らなかったのは、仕掛けが潮に押されて海中でフルテンション気味になり、食わせの間となる遊びの部分がない状態だったのではないか……と仮説。
魚はエサをくわえた際の違和感でアタリも大きく出たものの、ハリの位置まで食い込まないうちにアワセを入れていたのではないか……。
そこで、ゼロテンションで待つことには変わりはないものの、誘いを入れた直後、ややマイナス気味のテンションでアタリを待ってみることに。すると、答えはすぐに出た。
シロムツをゲット
アタリが出たあと、しっかりとアワセを入れると生命反応も確認。巻き上げ途中のバラシの原因の多くは、掛かりどころが悪くてハリ穴が広がることが多い。ムツ類は口の周りが弱く、上アゴの硬い部分にハリ掛かりをさせる意味でもアワセは必要と私は考えている。
巻き上げは、サメなどに横取りされない状況では1秒で1mのイメージ。魚にかかるテンションが巻き上げ途中で変わらないようリーリングしてくると、無事に仕掛けが上がり、姿を見せたのは通称・シロムツ。初めてのポイントでの初めての魚。その後の投入でも同じ組み立てでアタリを出し、同魚を追加していった。
シロムツを連釣（提供：TSURINEWS編集部）ポイント移動で高級魚『アラ』登場
「ほかの場所の状況も見るため、ちょっと深いほうに船を入れてみましょうか？」と小野寺さんから提案。やや東寄りに船を進め、移動距離はほんの数10mだったが、水深は190mを基点に200mまではなだらかで、その先は230m前後まで壁のような急坂な地形になっているという。
そんな地形変化をヒントに、私も付けエサのフォルムを変えてみようと1.5cm幅とやや太さを出し、長さを7cm程度にアレンジ。付けエサの装着は海中で回転しないよう、なるべくキワの部分のセンターに装着する。
付けエサのフォルムを変更（提供：TSURINEWS編集部）その第1投。若干マイナス気味のゼロテンションにセットすると、いきなり大きなアタリが出た。アワセも決まり、これまでのシロムツとは重量感がまったく違う。巻き上げ途中もしっかり竿先が叩かれ、大本命のアカムツの登場かと、期待も膨らむ。
無事に巻き上げも終わり、一手一手仕掛けを手繰っていくと、姿を見せたのはアカムツに負けない高級魚アラ。小野寺さんのポイント移動の提案のタイミングと、地形変化を考慮にエサのフォルム変化からつながった新魚種の登場に思わず笑みがこぼれた。
高級魚アラの登場に笑みがこぼれる（提供：TSURINEWS編集部）
