「気軽に狙う」イメージをなかなか持ちづらい中深場の五目釣りだが、駿河湾エリアでは航程30分ほどのポイントで多彩なターゲットを狙えるらしい。そこで今回、清水港の『富士山羽衣マリーナ』からヤマハのシースタイルを利用して出艇。駿河湾の中深場釣りを手軽に体感してきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部)
中深場釣りで注目の清水港エリア
“中深場”というと、乗合船でも少しハードルの高い印象が強い。関東近郊では出船港も限られるうえ、ポイントまでの航程も長い場所が多く、道具立ても使用するオモリの号数によってそれ相応のスペックが求められるため、「気軽に狙う」というイメージを持ちづらいのが実情だ。
しかし、そんな中深場を気軽に狙えるエリアとして今、脚光を集めているのが駿河湾。しかも、港を出てわずか30分ほどの航程で、ポイントからの景色は陸地が目と鼻の先。
まるでライトタックルで小物を狙うような場所で中深場狙いができる清水港エリアは、中深場ファンの間でも注目の場所となっている。
ターゲットは高級魚ばかり
事前にマリーナのスタッフに問い合わせしたところ、狙う水深は200m前後とのこと。
また、このエリアの中深場釣りのターゲットとして情報を集めてみると、やはり大本命として挙がるのが、“海のダイヤモンド”とも言われるアカムツ。1年中狙えるものの、例年10月〜1月、そして4月初旬〜7月いっぱいまでの期間が最盛期で、ときに40cmオーバーの大型も姿を見せるという。
ほかにもクロムツ、アラ、メダイ、オオニベ。また、通称シロムツの名で知られるワキヤハタやオオメハタもよく釣れ、地元では食卓にもよく上るそうだ。
サバの切り身が実績エサ
ざっと名前が挙がった魚を見ても高級魚揃い。こんな高級魚を狙ううえで、万全の準備を整えたのがエサだ。マリーナ近くの釣具店で購入するのがもっとも手早く、確実ではあるものの、現地スタッフが言うには、このエリアはサバの切り身が安定した釣果を生み出しているとのこと。
そこで、自分で釣ったサバを3枚下ろしにして皮目をシート状にし、余分な水分を抜いてウマミ成分を付加させる添加剤に漬け込んで冷凍保存しておいたものをメインに、スルメイカの切り身、鮭皮、タチウオのハラミも同様にフォーミュラさせて持ち込んだ。
そして、エサ専用のクーラーを持ち込み、エサはそれぞれタッパへ小分け。使うとき以外はクーラーに保管しておくことで、エサの状態を劣化させないよう注意を払った。
ちなみに、このサバ皮のシートは、当日の潮流や魚の活性を考慮して、船上で長さや幅をカットして使えるため、ストックしておくと非常に便利である。
胴突き仕掛けを自作
仕掛けは、自作の3本バリの胴突き仕掛け。上2つはクロスビーズでエダバリを出し、一番下はステイトの長さ調節を考慮して3×4サイズの親子サルカンで接続。ミキイトはフロロカーボンの10号で、エダ間は1.5m。ステイトは1.2m。これを数セット作成し、掛け枠に巻いて持ち込んだ。
ハリスは同8号で70cm。ハリには、がまかつの根魚王18号をセット。ハリのチモト部分にはフロートパイプとマシュマロボールのLサイズをセットし、エダバリはハリスのヨレやハリ先が甘くなることも考慮して、予備ハリスを結んだハリを30本以上準備した。
当日のタックル
タックルは、ロッドがオモリ負荷250号前後。7:3調子の2.1mのグラス無垢ロッド。リールは3000番の中型電動でPE3号を600m巻いたものをセット。オモリは200号を使用した。