夏を彩るターゲットといえば、やっぱりキス。広大なサーフで爽快にフルキャストする投げ釣りもいいが、数型ともにひと回りもふた回りも好釣果が望めるのが船からのキス釣りだ。今回は釣り人を魅了してやまないパールピンクの女王の攻略法を解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
シーズンとエリア
キスのシーズンは早ければ水温が安定している三重県南部では3月後半から、釣果が聞こえ始める。伊勢湾エリアでは、毎年5月末ごろから本格シーズンに突入。盛夏は安定して釣れ盛るが、9月に入ると徐々に数は減り始める。ただしサイズが飛躍的に伸びてくる。いわゆる落ちギスというやつだ。
早期から釣れ始める三重県南部では、キス専門の遊漁船というのはあまり聞かない。ルアー船などをチャーターするか、レンタルボートや手こぎボートで出ることが多い。
名古屋から最も近い釣り場である知多半島では、GW明けごろから大型乗合船がキス便で出船するようになる。船が大きくポイントも近いので、ビギナーにもうってつけ。アクセスがいいので、昼に上がれば夕飯にはキスの天ぷらを堪能できる。
また最近では三重県の津~松阪エリアも注目されている。遠浅のポイントが続き、盛期には3ケタ釣果も十分望めるほどのエリアだ。
タックルと仕掛け
ベイトタックルでもいいが、基本はチョイ投げできるスピニングタックルが使いやすい。釣行するエリアにもよるが、知多半島の南知多エリアから出船する場合は、オモリが30号を使うのでその重さに対応したサオが必要になる。
サオ
津~松阪エリアでは、水深が10m未満のポイントが多いので、オモリは重くても15号ぐらいまで。したがってバスロッドや強めのトラウトロッドなんかも流用できる。
尾鷲や紀伊長島などの紀東エリアでは、狙う水深がバラバラなので20号程度まで背負えるキスザオがお勧めだ。
リール
リールはスピニングリールの2500番前後。これにPEラインの0.8~1号を150mほど巻いておく。テンビンにPEラインを直結してもいいが、テンビンのアームや穂先にラインが絡みやすくなるので、先イトとしてフロロカーボンの3号程度を1ヒロほどつないでおこう。結び方は電車結びで十分だ。
仕掛け
仕掛けだが、シンプルイズベスト。市販されているものでも十分だが、全長がなるべく短めのものがお勧めだ。ハリは初期なら8号、盛期なら9~10号。自作する場合は全長60cm程度にまとめて、モトスが4号、ハリス2号とやや太めのイトを使おう。
仕掛けを底にはわせるキス釣りで、細ハリスはトラブルが増えるだけであまり意味がない。ハリス3号でも問題なく食ってくる。最低でも1.5号、できれば2号がお勧めだ。仕掛け自体が太いと、全体に張りが出て手前マツリも少なくなる。
使用するテンビンはアーム長が15~25cm程度のもの。今は中通し式もあるので、好みで選べば問題ないと思う。
オモリは釣り場に応じて5~30号を用意するが、根掛かりはほとんどないはずなので予備も含めテンビンと合わせて、3個もあれば十分だ。
エサ
エサは乗合船の場合は船で用意してくれることがあるので、予約時に確認しておこう。合わせて氷の有無や出船時間、集合場所の確認も怠らずにしておく。
自前で用意する場合はイシゴカイがあれば十分だ。安価で入手しやすく、食いもいい。キスにはイシゴカイ一択で構わないと思う。またマルキユーのパワーイソメなど、バイオワームも有効。常温保存できるので、予備のエサとしてタックルボックスに入れておいてもいいだろう。