船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】

夏を彩るターゲットといえば、やっぱりキス。広大なサーフで爽快にフルキャストする投げ釣りもいいが、数型ともにひと回りもふた回りも好釣果が望めるのが船からのキス釣りだ。今回は釣り人を魅了してやまないパールピンクの女王の攻略法を解説してみたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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船釣り エサ釣り

実釣編

ポイントに着いて船長から開始の合図が出たら、アンダーハンドキャストで自分の前方へ軽く投げる。着水直後はイトの出を指で押さえて、最初はカーブフォール。途中から指を離してフリーでフォールさせる。

着底したらすかさずリールを2~3回巻いて、海底で仕掛けが一直線になるようにする。これをしないと、仕掛けがテンビンに巻きついたりしてしまう。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】ハリいっぱいに垂らしは短めに(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

そのままゆっくりサビいて誘うのが、仕掛けを動かした方がいいのか、止めておいた方がいいのかは日によって違う。サビいて止めてを繰り返し、アタリの多いパターンを見つけよう。

総じて止めておくと、メゴチやヒイラギ(ゼンメ)、ギマなどの外道が多く掛かってくると言うが、水温が上がりきっておらずキスの活性が低い初期は、意外に止めておくパターンも強い。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】 ゆっくりサビいて誘いをかけよう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

キスは小さな大物といわれるほど、小さな魚体に似合わない大きなアタリを出す。この大きなアタリにびっくりして、即アワセをしてしまうことが多いが、これはご法度。アタリが出てもアワせるのをグッとこらえて、あるいはサオ先を少し送り込んでから、サオを立てる。

ハリ掛かりを確認すれば、一定の速度で巻き上げる。テンビンがサオ先までくるほどの巻きすぎには注意しよう。サオ先の破損につながるし、魚に手が届かなくなる。テンビンが水面に出たら、サオを立ててオモリをつかんで魚を取り込む。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】夏の風物詩のひとつ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ハリが口に掛かっているときはいいのだが、のまれている場合はキスの背中を下にして親指と人差し指を突っ込み、ハリスを強く引っ張るとハリが抜けてくれる。釣ったキスはバケツで体表の汚れを洗い落とし、そのままクーラーの中へ。バケツで生かしておいてもすぐに死んでしまうし、死んだまま放置しておくと高水温ですぐに傷んでしまう。なるべく早くクーラーに移そう。

食いが立てばダブルでヒットすることもある。手返しよく投入して、釣れるときにしっかり数を稼ぐようにしたい。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】活性が上がればダブルも頻繁にある(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

また10cm前後のピンギスが釣れた場合、うまく口に掛かっていれば魚体に触れないようにリリースしよう。やり方が分からないときは、海水でよく濡らしたタオルでキスを包み、プライヤーでハリを外してやるといい。キスは非常にデリケートで、強く握ったりするとあっという間に死んでしまう。リリースするなら完全な状態で戻れるようにリリースしよう。

注意点

この釣りは軽くでも、オモリを投げる釣りだ。狭い船上なので、振りかぶったオーバーハンドキャストはしないこと。投げにくいときは、オモリを手に持って振り子の要領でキャストしよう。すぐ後ろに人がいるので、くれぐれも注意してほしい。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】取り込み時はミチイトの巻きすぎに注意(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

またクーラーには十分な量の氷を確保しておくこと。キスを入れるときは、海水を少し入れて海水氷にし、魚を入れても全体的に冷えるようにしよう。

また食べない魚はリリースを。外道としてギマやメゴチ、ヒイラギ、ハゼなどがよく釣れてくる。これらも十分においしい魚だが、食べないのであればきちんとリリースしよう。

船キス釣り入門解説 【道具・エサ・釣り方・注意点・中部エリアのシーズン】暑さ対策は万全に(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

これから本格的な夏を迎えると、日中は酷暑となる。クーラーには飲料を十分に用意し、こまめに水分補給を行い熱中症の予防を心がけよう。合わせて塩アメや塩分が取れるタブレットを持参してもいい。

また水面からの日差しの照り返しもある。偏光グラスや暑さ対策の帽子も必ず装着するようにしたい。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年6月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。