佐原向地のなかでも大会実績があって注目される釣り場といえば上の島新川だ。放流後には新ベラ釣り場と変貌するが、それまでは毎年、地ベラ狙いでにぎわう。今秋は河川全域が好況でファンが駆けつけている。好機を逃すな!
直近の状況
稲刈りが終わると、水神屋食堂の故・髙城氏が実釣して得た良型釣果が報告されてきた。そのため平場ファンの間では〝秋は上の島〟という印象が強い。今秋も10人以上が高圧線下へ並んで例会を開いている姿が見られた。
好調の理由は、霞ケ浦本湖が大幅な増水位で、防災のために十余島機場(水門)が稼働していないことが挙げられる。同釣り場は浅場で、流れの影響が大きい。
浅いと大した水量でなくとも、水道のホース先をつまんだように流れも速くなる。水通しのよさ、水況回復など利点もあるが、釣りにくさが上回ってエサも安定せず、魚も摂餌の積極性を損なう。それが今季は止水状態で、9月は水替わりに十分な雨量があったため、全域がポイントと化した。
上の島新川とは?
かつて同釣り場は3つに大別できた。
昭和のころ干拓橋~宮前橋を新川、宮前橋~沖の島橋までを村中むらなか、沖の島橋~上手(かみて)を学校裏(現・あずま東小)、せんべい屋裏と呼び分けた。
当時、名所とうたわれたのが新川の高圧線前後、弁天(水神宮)前、村中の捨て石、学校裏東岸。現在は干拓橋~旧センベイ屋裏の全長2・1kmを上の島新川と呼ぶ。
水の動きは十余島機場(十余島第2機場の排水機)の稼働によって支配されている。
上の島新川の詳細
十余島機場~大重水路合流部
ワンドと呼ばれている。水深があって入りやすい場所なのに魚が留まりにくいのか、これまでにいい話はなかった。しかし今秋は、名所として評判を回復。水神屋の女将は「10尺以下の短竿でも釣れる」と言う。釣り座を探して、どこにも入れなかったら一考を。
干拓橋
橋のたもとが意外に深く、満水位なら窪んだところで水深は1本以上ある。深場がいいとき(浅場がダメなとき)は覚えておきたい。
高圧線下
もっとも人気のあるポイント。例会場所にもなる。川幅が広く長尺を振りたい気持ちに駆られるが、今季は10尺前後でもアタっているため手前狙いで楽しみたい。
水神宮前
故・髙城氏が秋になると竿13尺ドボンで40cm近い良型を何枚も釣っている好場所。時期になると神社下は草刈りで足場が広がり、アタリは減る。新ベラ放流前に草刈りが行われたら、アタリ出しが遅れる。
学校裏
かつてはフナ釣り例会の名所で、沖の島橋側にマイクロバスが数台駐車して両岸で100人は入れた。子どもの転落防止か何尺竿出しても浅い。60~80cmの水深に不安を覚えるが魚影は濃い。
石納1号橋の吐き出し
一見、平坦な野地に見えるが護岸場所。吐き出し下流(橋側)が水深1本で、竿12尺を出すと底に手前へ向かって馬の背がある。しかし初秋は浅いほうがアタるため、ここより上流の対岸・焼却炉までの水深80cmを同尺以上の竿で岸ギリギリに打つ。
スーパー裏
エービンの赤い看板が見える、うっそうとした対岸が特長。茂みが水面に掛かり、魚の着き場として魅力的。春に釣友ミホリンが良型を釣るなど実績も高い。橋を渡るため少しだけ時間は掛かるが、対岸のスーパーで買い物ついでに、清潔なお手洗いが借りられる。