雪代の影響が続く4月は大イワナを手にする最初のチャンスです。またこの時期は釣りだけではなく、アイヌネギ(行者ニンニク)を摘める"サイドクエスト"も楽しむ事ができます。今回は大イワナとアイヌネギを求めて、春の渓流で釣行した様子をお伝えします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
Day2:残雪残る細流へ
4月の仕事終わり、日が長くなったので少しならいけるなとチョイ釣りへ。まだ残雪が残る源流エリアのとある区間、笹藪が雪で覆われている間ならアプローチが容易なポイントへ向かいます。
まだ雪代が始まったばかりのその沢は中流~源流にかけてのイワナの魚影が濃く最大サイズ44cmまでの実績があり、夕まずめならチャンスがあるかもと期待を胸にまだまだ冷たい流れを下って行きます。
細流の王者現る
そこは昨シーズン発見したポイントで尺イワナををキャッチした実績があります。5mほどの幅の沢で深い落ち込みに倒木が刺さり、それの上を広がった木の枝がカバーしているという大型が隠れるには格好のポイント、まず居ないわけがないと言い切れるポイントです。
倒木と上流からの流れで複雑に絡み合う巻き返しを突き破り底に到達できるように、7gの重めのスプーンを白泡に紛れ込ませるように投げ込んで誘って行きます。数回のアプローチの末、尺サイズの影がまとわりついてきますがフッキングには至らず。ただ底付近での反応ではなかったのでまだ何かいると踏んでさらに深みを意識して誘います。
5分ほど同じコースを通し続けた頃に、そこから一瞬赤黒い影が浮上してきました。しかし、そのバイトは空振り、先程の尺サイズより大きな個体がついていたようです。
40cm級大イワナをキャッチ
興奮のスイッチが入ったとしたらチャンスなので、今度は5gのヘビーシンキングミノーに切り替えて底付近をジャーク気味に煽って誘います。
キャストして着底後、二度目の煽りを入れたタイミングとバイトが噛み合ったのかラインが落ち込みに突き刺さったと同時にドラグが鳴ります。グイグイと底に戻ろうとするイワナを押さえ込み素早く掬います。
ネットの中で息を荒げているそのイワナは陸風型特有の細かい斑点を体表に散りばめ、鈍い紫色のオーラをまとった赤黒い体躯、巨大な胸鰭は白とオレンジで縁取られ、割れた顎にはヤスリのような歯が並んでいました。サイズはピッタリ40cm、細流の王者に相応しい魚体でありました。