「カヤック」と聞くと「手でパドルを漕いで進む小さな船」を思い浮かべる方が大半でしょう。しかし、現代のカヤックは足漕ぎタイプも登場し、とてもスタイリッシュに進化しています。今回はカヤックの歴史から最先端の機構まで、筆者が愛用しているHOBIE JAPANのカヤックを中心にご紹介します。
(アイキャッチ画像提供:HOBIE JAPAN)
釣行時の足漕ぎメリット
筆者が感じる足漕ぎカヤックならではのメリットを挙げると5つあります。
移動中に上半身が空く
食事や小休憩、ルアー交換、写真や動画の撮影など、移動中に様々なことができることは足漕ぎカヤックの大きなメリット。
ロッドとパドルの持ち替えが不要
ちょっとした移動のたびに、ラインの垂らしを調整し、ロッドを所定の位置に置いてパドルに持ち替え……この作業を何十回も繰り返すと、想像以上に釣りをしている時間をロスしたり、ストレスになったりすることも。
手漕ぎと足漕ぎで差がつくところですね。また、魚(とくに大物)とやりとりしながらの移動・向き変えが簡単な点もメリット。定置網や航路、消波ブロックなどに近づいてしまいそうな場面でも、危険回避しながらファイト続行が可能です。
長距離移動が楽
もちろん過信は禁物ですし、各人の技量や船体の形状にもよりますが、足漕ぎカヤックの方が手漕ぎカヤックより、楽に遠くのポイントまで行けると感じています。上半身を休ませ、釣りに使うエネルギーを温存できる点もメリットですね
向かい風に強い
強い向かい風のとき、手漕ぎカヤックはパドルに受ける風圧がブレーキになってしまうため、低めの軌道でパドリングするなどテクニックが必要になります。足漕ぎであれば、とにかく一生懸命ペダルを漕ぐのみ。
ただし、足漕ぎだからといって絶対に無理はしないでください。荒れた海では人の力など微々たるもので、自然の力にはかないません。
魚に警戒されにくい
カヤック全般、エンジン付きのボートなどより魚へ与えるプレッシャーは圧倒的に少ないものです。なかでもミラージュ・ドライブは自然の動き・波動に近いため、プロペラ式の足漕ぎカヤックよりも警戒されにくいといわれています。
実際に、カヤックのすぐそばで魚がヒットすることも多いと感じます。
足漕ぎがカヤック釣行を変えた
ホビーカヤックに代表される足漕ぎカヤックの進化により、カヤックフィッシングはより快適・簡単に楽しむことができるようになりました。
もちろん、これまで長い歴史を紡いできた手漕ぎカヤックの奥深さを否定するわけではありません。しかし、こと魚釣りをすることに関して、足漕ぎカヤックに有利な点が多いことはまぎれもない事実でしょう。
試乗会で体験も
最近では各地でカヤックの試乗会が開催されています。カヤックフィッシングに興味のある方は、ぜひ一度最新のカヤックを体験してみることをおすすめします。釣り人ならば、きっと欲しくてたまらなくなることでしょう。
<福永正博/TSURINEWSライター>