昨年秋の数釣りシーズンは貧果だったティップラン。せめて春は良型にあやかりたいと3月27日、三重県志摩市片田の遊漁船に単独釣行した。昨年秋から志摩沖のティップランは大きくさま変わりしている。エギを大きくダートさせないとアオリイカが抱いてこないからだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)
志摩沖でティップラン釣行
愛用のセンサーティップは、繊細なアタリを取れる重いシンカーを付けたエギのシャクリには不向きだ。古いタイプを持ち出し、硬めのロッドで対応している。当日は、船長からキャスティングもやるので、タックルを準備してするように指示を受けていた。
この日はこうした変化を捕え、抜群の釣果を上げている常連アングラーの佃さんが同船すると聞いており、上級者の釣り方を参考できると楽しみにしていた。出船は午前5時半。予約順で私はミヨシとなった。佃さんはミヨシから3番目。この日は強風でティップランから始めるとのことで、志摩沖のポイントに到着した。
「水深25~30m。始めてください」と声がかかった。前日の雨の影響で気温は急激に下がり、体感温度は寒いくらいだ。30gのシンカーを装着した定番カラーであるパープルで開始。船は1.5~2ノットとかなり速く流れ、ライン角度は60度くらいと着底は遅い。早速40gシンカーのエギに変更。ボトム確認が容易になった。
リズミカルジャークで誘う
7人のアングラーが黙々とシャクリを繰り返すものの、ノーバイトは続く。せっかくの機会なので佃さんの一連の動作をチェック。エギはダートマックスパープルにエギリーのニューシンカーを装着していたが、基本的には同じもの。
しかし、そのシャクリはかなりシャープでキレがいい。まねてみると、エギがダートする波動が手元に伝わってくる。このぐらいリズミカルに動かさないと食ってこないのだ。また、その巻き取りにかかる腕への負担もかなりものだ。ハンドルを巻く左手の負担軽減は図りつつ、リズミカルジャークをまねようと努めていた。
待望の2kg級アオリ手中
午前7時ごろ、胴のアングラーにヒット。1kg程度の本命だが、渋いなかでの貴重な1匹だ。イカはいるものの、なかなか触ってこない。7時20分ごろ、「潮上りします」と声がかかった。ボトムを確認後5回のシャクリを終え、ステイしたタイミングでティップが押さえ込まれた。
ジィィィィーッと固めのドラグからラインが引き出された。ぐんぐんとバットがしなり、良型のようだ。ジリジリとラインを引き出されながらも、丁寧に巻き取りを続けると、30m先の海面にぽっかりとアオリイカが浮かんだ。
2kgはありそうだ。慎重に巻き取り、無事にタモに収まった。久しぶりの良型に笑みがこぼれる。
連続ヒットで1kg級
船長はイケスに放り込むと潮上りを行った。もう一度同じポイントを流し始めると、すぐティップが震えた。連続ヒットだ。引きが弱く、難なく上がってきたのは1kg程度の本命だ。時刻は7時45分。早い時間の連続ヒットに期待は膨らむものの、船全体としては連鎖もなく、渋い状態が続いた。
時間は経過するものの、全く反応はない。徐々に風が収まってきたのでポイントを移動。正午ごろ、ティップに久しぶりの反応があり、すかさず落とし込んでもう一度シャクリを入れるとイカパンチ。アワセを入れたが、ヒットしなかった。