3月中旬になると、そろそろ三重県方面のイカダやカセで乗っ込みクロダイの便りが聞かれるようになる。太郎さんいわく、「現在は乗っ込みのはしりの時期となり、日むらもあるが楽しめるのでは?」とのことで3月16日、三重県・南伊勢町神前浦の盛福丸渡船へ釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
南伊勢のイカダでカカリ釣り
午前6時前に太郎さんと現地で合流。「このところ朝からボラの寄りもいいので釣れますよ」と船長が言う。1匹型の良いのが釣れればOKですよと返答すると、「1匹なんて言わないで、4~5匹釣ってくださいよ」とプレシャーをかけられた。
10分ほどで水深13mのイザキの2号イカダに渡る。船長に座る向きを聞くと「本当なら湾口向きが本命ポイントですが、今年は海藻が多くて釣りにならないので、養殖小割り向きで釣ってください」とアドバイスしてくれた。
持参したエサはマルキユーのスーパーハードBIGのL、くわせ丸えびイエロー、激荒、活丸さなぎにボケ。タックルは、イカダリミテッド1.58m(穂先は8対2)、リールはセイハコウリミテッドRC83、ラインは東レ筏かかり参2号、ハリは勝負ちぬ筏3~4号。
澄み潮の難しい状況
タックルの準備が整ったところで、まずはボケエサでモーニング。海を見ると、かなり透明度が高く、イカダの反対側は底が見えるほどのスケスケ状態。こんなので釣れるのだろうか。
まずは周辺を探ると、釣り座の右側は海藻が多く、すぐに引っ掛かってしまう状況。おまけに潮も右側に流れており、あまり仕掛けを流すことができない。しばらくボケやオキアミで探っていたが、反応がないので早々にダンゴ釣りに切り替える。ダンゴは、太郎さん鉄板のパワーダンゴチヌ1袋、大チヌSPハイパー1袋、生オキアミクラッシュ2kgだ。
定石通りオキアミからスタート。まずはボラを寄せるために打ち返すと、なんと3投目で早くもボラのダンゴアタリが出始めた。「まだ少しアタックが弱いですが、船長の言っていた通り、早い時間帯からボラのダンゴアタリがきましたねえ。いいんじゃないですか」と太郎さん。ところが、ボラのダンゴアタリは出るが、その後が続かない。
ヒットするのはボラばかり
こんなときはロングインターバルで攻めるのが順当だと太郎さん。2月の取材のときもこんな状況だったが…。嫌な予感がする。
この嫌な予感が的中。ダンゴ割れから5分ほど経過すると、突然本命のようにサオ先を押さえ込み戻らないアタリが出た。ところが正体は60cm超のボラ。そこで同じようなアタリは極力見送るが、待っているとサオごと海中に持っていかれそうになる。アワセを入れなくても勝手にオキアミを吸い込んでしまい、ボラの口掛かりが続く。
サシエをボケやサナギ、コーンとローテーションするが、同じようなパターンで掛かってくるのはボラばかり。太郎さんがこれほど連発でボラを掛けるところは初めて。こんな状況が午前中続いたので、しばらく場を休めることにした。
休憩中、隣のイカダを見ると、遠めでもはっきりやり取りしている。ボラだろうと見ていると、タモに入ったのはクロダイだ。すぐに「隣のイカダで上がりましたよ」と太郎さんに言うと、「今回も隣のイカダか…」とため息が聞こえてきた。
ロングインターバルで45cm本命手中
「時合いかもしれないので再開しますか」と太郎さん。しかし状況に変化はなく、ボラのダンゴアタリは出るが、その後はさっぱりだった。
こんな状況が午後4時ごろまで続き「まさかボウズかも……」と思ったが、納竿までまだ2時間あるので大丈夫だろう。
「今まではインターバルが4~5分でしたが、一度10分のロングインターバルを試してみます」と太郎さん。エサはサナギの1個掛け。
5分が過ぎ、6分、7分と異常なし。そして8分が経過したところで、サオ先にフワッと前アタリが出た。ボラのスレアタリかと少し待っていると、やがサオ先を押さえ込む本アタリ。これをアワせると、ガツンときた。
姿を見せたのは45cmのクロダイ。「ロングインターバルが功を奏しましたね」と笑顔。