一年中渡船宿の釣果情報はチェックしているが、特にこの時期はメジナ釣りシーズンの中でも最も大好きな季節なので、欠かさずに見て、併せて気象予想サイトとにらめっこ状態である。理由はもちろんいつ出陣(釣行)出来そうか予定を組むため。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)
2日目は「タカハナ」へ
昨日なかなか落ちてこなかったウネリであったが、今日は少し落ち着いてきたようだ。この日も熱心な寒グレ釣りファンを乗せて龍海丸さんは港に近い磯から順番に釣り人を降ろしていく。
私の番になり若船長が呼んでくれた。「塩田さん降りるよ!」。渡礁したのは断崖絶壁の上に建っているホテルの眼下に点在する磯群の中のタカハナという名前の磯。全体的に磯は低く、磯の周りは至る所に沈み根があり、根と根の間の溝を狙う。いかにも寒グレを狙うには打ってつけの地形をした釣り場だ。
まきエサ
用意したまきエサは、まだ水温は高いとはいうものの、メジナの活性を上げて少しでも食い気を高めやすい配合エサ3袋をブレンドした。オキアミ6kg、「アミパワーグレスペシャル」、「グレパワーV9スペシャル」、「爆寄せグレ」各1袋。
磯の上ではこれらを一遍に混ぜて作れないため、40cmバッカンに入れて作れる量として、其々半分の量を前半用と後半用の2回に分けて作った。水分量は軟らかくし過ぎると、遠投できなくなるのでやや硬めに仕上げた。
仕掛け
仕掛けは、主に溝の中を狙うことになるため、ウキ浮力は軽めで、魚がエサをくわえたときに抵抗を極力感じ難いノーシンカーに近いものを組んだ。
状況に合わせたまきエサワーク
釣り始めは、離れとの間が幅6mほどの溝の中を狙った。磯際ギリギリに仕掛けを入れて行く狙い方。しかし、沖からゴミなどの浮遊物が中に溜まってしまい狙えない。
そこで、沖の沈み根周辺にポイントを変更。まきエサを撒いてもエサ取りは全く見えない。磯際にエサ取り用のまきエサを数杯撒き、溝の中にも狙えるタイミングが来た時用にまきエサを撒いておいた。
その後、本命ポイントに仕掛け投入前にまきエサを撒くようにした。結果は意外に早く出た。まきエサを撒いた位置にウキとハリが重なるよう(フリーフォールして仕掛けが沈む)に投入。そうすることで、仕掛けの馴染みが速く、まきエサの帯の中につけエサが漂う時間が長くなるため、潮況次第ではメジナの食いが良い場合がある。
今回はこの狙い方がマッチしていた。仕掛けが馴染んだあと、ゆっくりウキが沈み出し、その後加速するように竿先までひったくるアタリが襲ってきた。至る所に魚が隠れやすい根が沈んでいるせいか魚の引きも半端ない。何とかこちら側に有利な態勢に持ち込もうと試みたが、根にハリスが擦れて切られてしまった。