これからは当たれば大型、40cmオーバー、50cmオーバーの一発大物が狙える時期。シーズン後半が本当の寒グレとも言える。ぜひ難しさを攻略して自分なりの答えを見つけ出してほしい。1匹1匹に価値あるドラマがある。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 大道勝彦)
食わないグレを食わせる
これまで紹介していない秘策を紹介したい。
小粒ウキの磯際ゼロスルスル
釣研のグレニカルなど小粒の0号を使い、潮受けゴムの下にG5を打って、まきエサと同じ沈下速度を演出しさしエサをどこまでもどこまでも、スルスルで入れ込んでいく。ベタナギ微風が条件。スケスケ潮にも効くが、ウキが大きいとなぜか食わない。6ヒロ7ヒロ辺りにウキ止めや目印を付けておこう。
磯際00沈め
普通の磯際狙いは半遊動仕掛けでガン玉段打ちなどで狙うが、沖を釣るイメージの00ウキを使ってもっと自然さを演出する。うまく沈むように少しずつG5を追加する。ウキが見えなくなっても、さらにどんどん入れ込もう。釣りにくいし根掛かり覚悟。
海底00沈め
同じようにして底付近を狙う手もある。海底へ00ウキがぶつかるくらいの感覚で沈める。根掛かればウキ回収は不可能。海溝などにも積極的に入れ込んでみよう。底の見えグレにも効果的。
あえて爆風側の磯際
冷たい北西の爆風に向かって誰もやりたくはないが、あえて狙う。風で仕掛けが入っていかないので、2Bウキに2Bを3つ4つ段打ちなどになり、ウキ止めまでいかないうちに沈み始めるが、それでいい。ただし帽子は吹っ飛ぶし、まきエサもかぶるしメチャクチャ寒い。
先に厳寒期の基本は昔からあまり変わっていないと書いたが、ここで24年前に私が30歳で書いたつり作戦から抜粋してみたい。
「グレのフカセ釣りにおけるタナとはまきエサを食べている層のことで、そこにウキ下(さしエサ)を合わせてやらなければならない」。「タナはさしエサの有無で判断する。アタリがなくてさしエサが取られればウキ下を上げ、残っていればウキ下を下げる。頻繁にアタリがあるならそのままでいいだろう。底までさしエサが残れば、今度は徐々に浅くしてさしエサが取られる所を探る。ウキ下は2~3投で変えていく」。
「さしエサが取られるのにアタリが出ない。このような状況は多いと思うが、グレもオキアミの頭だけを取ったりとさしエサをかすめ取っていく。アタリが出ないということはアタリを出せていないということが言える。アタリは勝手に出るものではなく、釣り人側が努力して出すもの。タナを合わせ、張りを作ってアタリを出す、これが基本であり極意」。
「張りは誘いにもなる。どんな釣りでも誘いは重要なテクニックであり、グレ釣りでもしかり。誘うためには張ることになり、そうすることでアタリも出やすくなる」。
「流れに対して横から流すより真っすぐ流す方が釣れる。ハリスを真っすぐにし、角度を付けるとグレが食いやすくなって微妙に釣果が上がる」。
「釣れなくてもまきエサをまいている限り、どこかでグレは食っていると考えること。そこにさしエサを合わせればいい」。
「釣れないときも諦めないこと。少し休憩して場を休め気分を入れ替えるのも良い。再開したときにポッと釣れることがある。しばらく攻めたポイントを温存しておき、また戻ったときに釣れることもある」。
磯釣りは安全第一
最後に安全について。美しい景観のなか荒々しい磯場での釣り。しかし悪天候時には危険もある。クラブ員には「中止もグレ釣り」、「安全に帰るのもお土産」と教えている。少し怖い思いをすれば、この言葉が身に染みると思う。
さてシーズン開幕と盛期。久しぶりに寒グレについていろいろ書かせていただいたが、役立つヒントがあれば幸いだ。
<週刊つりニュース中部版 大道勝彦/TSURINEWS編>