テーマは「埼玉の人気釣り場・ビン沼の攻略法」。朝夕を中心に連日多くの釣り人が訪れるのが埼玉県さいたま市と富士見市の境を流れるビン沼だ。魚影は確かに濃いが連日のエサ打ちで魚のIQはかなり高い。高活性ならまだしも、多少でも鈍ると途端にエサの追いが悪くなる。それをどう攻略するか。第4回はエサについて。流れがある同川を征するには、エサにもひと工夫が必要だ。
アタリが遠くなる原因
一日のなかで魚の活性がコロリと変わるのがビン沼の特徴だ。
早朝はアタりっきりだったのに、9時を過ぎたころからアタリが遠くなる。
それが日中いっぱい続き、夕方になるとズバッと落とすようになる。
なぜこのようなことが起こるのだろうか?魚が移動してしまうのか?
「そうではないでしょうね。エサの近くには常にヘラがいる。
ところが時間帯、流れの変化、太陽光などが影響して魚の活性が目まぐるしく変化する。さらに流れによる釣りづらさが加わり、食わせるのが難しくなる。
こう考えたほうが自然でしょうね。」
たとえ魚は高活性であっても流れが速すぎては釣りきれないし、低活性でも流れが緩い(ゼロ)ならアタらせることはできる。そうなると流れを征することが攻略の一つのカギになりますね。
「はい。通常のビン沼は早朝と夕方は流れが緩く、日中に速くなる傾向があります。早朝と夕方に好釣果が出やすいのはこういうことも関係しているのでしょうね。」
エサの硬さについて
ではエサはどうでしょうか。
前号では両ダンゴとトロ巻きセット、それにウドンセットの準備だけはしておこうという話でした。
「両ダンゴにしろセットのバラケにしろ、基本は下に下へとバラけるタッチのエサを使うことが基本でしょうね。そうでなくても流れがある時はナジませづらくなるものです。
そこに横方向へ強く開くエサを打っていては、いつまでたっても魚はタナ付近に寄ってきません。
むしろバラケ性は最小限度に抑えて、流れやジャミ、それに魚のアオリでバラけるようなタッチにするとちょうどいいかもしれませんね。」
つまり固形チックなエサということですか?
「そこまでは言いませんが、まとまりのあるしっかりしたタッチ。
これを打ってウキを動かし、そこからどうするかを考える。そのほうが、先の展開が作りやすいはずです。」
バラけ過ぎるエサだとウキが動かない?
「想像してみてください。仮に流れが速い状態で着水と同時に大きくバラけるエサを打つ。バラけたエサは流れに乗ってしまい、ハリに付いたエサとはリンクしませんよね。
魚はバラけたエサにこそ好反応を示すものですから、流れに乗ってバラけたエサを追いかけてしまうでしょう。これではウキは動きません。」
つまりボソはあまりよくないと?
「ボソっ気は必要ですが、完全なボソはよくないでしょうね。これは両ダンゴのみならずセット釣りも同様です。」