【一名生還も一名は行方不明】江の島で同日に釣り人の海中転落事故が2件発生

【一名生還も一名は行方不明】江の島で同日に釣り人の海中転落事故が2件発生

令和4年9月、湘南エリアの人気観光スポットである江の島で、釣り人による海中転落事故が同日に2件発生。1件は生還、もう1件は未だ行方不明と明暗を分けた。編集部では、事故を担当した海上保安庁担当者へのインタビューを実施。釣り人による落水事故の実態に迫る。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部)

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江の島で起きる事故の特徴は?

釣り人の転落も多いのですが、それと並んで多いのが帰還不能です。干潮時に磯場を渡って観光を楽しんでいるうちに潮が上がって来た道がなくなってしまい、帰れなくなるケースが多発しています。ここ数年で件数自体が激増しているわけではありませんが、われわれが管轄している鎌倉から湯河原の範囲内では、江の島と真鶴半島の磯場に事故が集中しています。

事故を起こす人の傾向は?

30~40代が多く、50代よりも上は少ない傾向があります。釣り人ならば「もっといいポイントに行こう」「もっと釣れる場所に行こう」、観光客ならば「ほかの人よりも一歩先に行ってみよう」という気持ちが働いて無理しまうことが、結果として事故につながっていると推察しています。

【一名生還も一名は行方不明】江の島で同日に釣り人の海中転落事故が2件発生干潮時に渡れた道が満潮時はなくなってしまうことも(撮影:TSURINEWS編集部)

釣り人特有の事故はある?

磯場で転倒してケガをしてしまったというケースも少なくありませんが、やはり海中転落と帰還不能が多数を占めます。帰還不能の場合は海中転落に発展しかねないので、「ちょっと帰れないぐらいはたいしたことではない」と安易に考えないでほしいです。

釣り人への啓蒙活動

江の島と真鶴半島を中心に、釣り人の多いところに出向いて、啓蒙活動を展開しています。ただ、個々人の意識が高まらないと海難事故は減りませんので、いくつかのポイントを打ち出しています。

具体的には?

まず、ライフジャケットの着用。2つめは、スマートフォンなどの連絡手段を持つこと。スマートフォンなどは、防水機能を備えた浮力のあるものに入れておくのが望ましいです。3つめは、遊んでいる最中でも、こまめに波の状況を確認すること。自分に押し寄せる波が安全かどうかをチェックしてください。そして最後は、潮の満ち引き、天気、波浪を確認すること。これらを大前提として海に出かけ、釣りや観光を満喫してもらえればと思っています。

取材協力:神奈川県警察本部 地域部地域総務課、横須賀海上保安部 湘南海上保安署、海上保安庁 第三管区海上保安本部(順不同)

<TSURINEWS編集部>