開幕してから、ほとんど一点の曇りなく釣れてくれていた今季のメバルだった。この日の釣行は、それも条件のいい新月の大潮。期待をかけて行くとロクなことにならないが、大きく裏切られることはないだろう。しかし、思わぬ方面から大きく裏切られた失敗の釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
当日の状況
11月24日、大阪湾奥での釣行。新月回りの大潮で、夕刻からエントリー。アジの気配が連日濃いので、先日購入したニューロッドで、自分の釣り方で釣ってみたかった。夜が更けてからはメバル、というプランだ。
しかし、そのような私の思惑はことごとく何か見えない力によって阻止され続ける。
アジング皆無
まず、夕刻から見ていったアジだった。サイズが小さいのはわかりきっているが、とりあえず群れが入っているかどうか確かめるために、大きいワームを使ってレンジを刻んで釣ってみる。すると、ボトム付近でショートバイト。アタリの出方からして、この海の最近の豆アジである。
こうなると猛烈にやりにくい。まだ浅いレンジならともかく、ドン深の豆アジは釣りにくいのだ。1gの極小ヘッドに小さいワームをつけて、角度がない足元で、なんとか一尾掛けたが、抜き上げポロリ。もうこれでキャッチでいいや、と開き直った。しかし、厳密にいえば、釣果は無となる。
思わぬエイ襲撃
日が暮れてからメバルが浮くまで2時間くらいかかるので、相当退屈する。それまで別に休憩する理由もないので、一応アジングをしていた。乗せられないアタリの連打。これなら、ボトムをきちんと取ってカサゴでも釣っておけばよかった。
アジのふわ釣りをしていたら、目の前を平たい影が横切っていく。エイじゃないか……しかも私の投げたコースを通っていく。嫌な予感が即座に的中してラインがエイにからまりスレ掛かり。貴重なタングステンのヘッドを失うことになった。こういう失敗で、豊富に買いそろえているかに思えるストックが減っていくわけだ。
珍ロスト
そのあと、ちょこちょこメバルが釣れ始めた。レンジはもちろん表層だが、そんなに活性が高くない。アジ・サバがオープンに多すぎるので、それを嫌がっている様子もあった。
何尾か釣って、そこで上がってしまえばよかったのだが、この条件で現時点での釣果はどうだ、と深追いしすぎた。焦る気持ちは何も生まない。コースにぎりぎりに通したリグが岸壁に掛かってしまう。もう切ってしまうしかない、と思って引っ張ったところだ。
PEライン0.1号、3lbリーダーを簡易ノット結束で、なんと折れたハリだけが戻ってきてしまった。これをどう考えればいいだろう?たぶんノットブレイクしてPE本線だけプラーと返ってくると思ったのだが。
5秒くらい、ヘッドライトを当てて考えていたが、「結局ハリも折れてるしワームも取れてるし、何も使えないじゃないか」と気が付いて、何か承服しがたいものを感じながら新しくリグる。ここで本当に納竿しておけばよかったのだ。真の失敗はここから始まる。