ワームには一般的な塩ビ製と、一部エラストマー製がある。エラストマー製のワームは、歯のある魚に強い特徴を持ち、フグ、ベラの姿が多い海でのライトゲームに重宝する。しかしそもそもエラストマーとは何だろう?具体的な材質や長所、弱点を深堀りしていこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
エラストマー系ワームとは
エラストマー系のワームは塩ビ製と比べるとマテリアルが硬く、ぶにゅぶにゅ、もちもちとした感触が特徴的だ。この硬さは、そのまま、歯のある魚の攻撃に強いという大きなアドバンテージを持つ。フグやベラなど、エサ取り系のアタリ、バイトに、ワームがかじられにくい。ただ、限度はあり、かなり群れの密度が濃いときや、横追尾してくるフグベラの噛み切りには耐えない。
アジングのデイゲームでは、ファーストオプションになるだろう。また、フグやベラは通常ナイトゲームでは姿を消すが、常夜灯下など集まる場所にはいる。こういう場所ではエラストマー系を使った方が、最大1本100円近くするワームを温存できるというものだ。筆者の知る限り、エラストマー系は、高くても1本50円程度である。
材質は「ゴム」に近い
エラストマーは材質的には「ゴム」に近い。少年ジャンプの二作品のようにゴムゴム最強説があるが、まあそれはさておき、確かにエラストマーの質感は触ってみるとゴムの感じに似ている。
実際、ゴムの組成を少し操作したものらしく、主には振動を起こすものの緩衝材として使われることが多いようだ。もちろんワームが中心的な市場ではなく、主には工業製品向けに、560億米ドルの需要があるらしい。
長所
では、続けてエラストマー系ワームの長所について解説していこう。
ハリ持ちのよさ
エラストマー系のワームは、ハリの挿し毀しに強い。ワームの根元部分が、ハリで傷つきにくい。また傷ついても、少しセメダインのようなものを塗布してやると、かなりきれいに治る。リユースが利く。
歯のある魚への対応力
前述の通り、その硬いマテリアルから、フグ・ベラなどの歯のある魚の攻撃に強い。
デイゲームに強い
デイゲームでは、塩ビ系のワームはいろんなエサ取りにボロボロにされる。歯の攻撃に強いエラストマー系はデイゲームで活躍する。
負荷のかかる釣りに適正
ハリ持ちがいいこと、多少荒い食い方をされてもワームが壊れにくいことから、エラストマー系には負荷のかかる釣りに適正がある。たとえば、メタルジグヘッドのトレーラーワームだ。メタルジグのハリにワームを付けて釣るメタルジグ単だが、このトレーラーとして挿すワームにはエラストマーの特性が活きる。