前回、季節を問わず、初心者でも手軽に楽しめる釣り物として、相模湾LT五目釣りといいながら、主にイナダを主として紹介しました。今回は、最もポピュラーとされるアジ、サバ、イサキなど本来の五目と称される釣物を紹介したいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部)
魚種ごとのアタリ
最後に、魚種ごとのアタリを紹介します。
アジ
アタリは明確です。15cm未満の小物なら、イワシなどと同様、プルプルプル、ツンツンツンと小さな感触が竿先に伝わります。これが中型クラスになると、竿先に更に明確なクンクンクン…とアタリ、その後追い食いを待つ場合は、次のクンクンクンを待つものとなりますが、待ちすぎると口が弱いアジなので、外れてしまうことも。最初のサカナを確実に掛けるために軽くアワセを入れることも必要と思われます。そこから、1mぐらい巻き、次のアタリを待ち、数十秒待ってアタリがなければ、筆者の場合、さっさと巻き上げ、確実に1尾を確保します。
食いのいいときは、最初にアタッて続けざまに食ってきますし、そうしたときは一荷で上がってきます。また一荷の取り込みにも注意が必要で、さっさと仕掛け全てを船の中に回収して、サカナを外した方が、船べりでバラすことが少なくなります。
大型のアジは、これがアジかと思うほど引きも強く、クンクンクンというより、むしろグングン、ゴンゴンゴンと連続するたくましい引きを感じます。サイズも30cm超となると、その引きが中小アジとは明らかにちがうことがわかり、それが一荷ともなると、どんな大物かと惑うほどです。そうした大型アジは、ウィリーの付けエサに食ってくる暴れん坊です。ボート釣りで大型のアジが食ったときなど、ライトタックルのロッドが海中に突き刺さり、タイが食ったかと疑うほどでした。
サバ、ソーダカツオ
この時期の元気印!アジ釣りのオマケとはいえない割合で食ってくる魚種で、サバはアジのタナから少し上、概ね数m上の泳層で食ってきます。活性の高いときは、アジのタナまで仕掛けが落ちず、仕掛けがタナ近くで軽くなった、横に走り出したと感じたら、直ちに巻き上げないと、周囲とのオマツリを招き、さらに時間が経つほどひどい絡まり方をしますので、注意が必要です。
ソーダカツオも同様のアタり方をしますが、前述のとおり、その泳層がサバたちより上のことが多く、「えっ、こんな水面近くで食ってくるの?」という場合もあります。周囲でソーダカツオが掛かり出したら、水面近くでも仕掛けが軽くなったり、ラインが横走りしたり要注意です。
アタリは、仕掛けが軽くなる、横走りというサバ、カツオ系のサカナの特徴のようで、仕掛けがフワッ、フワッとし、そこからグングングンと力強い引きにかわり、また巻き上げ途中でも水面に向って泳ぐこともあるのか、軽くなったり、引いたりを繰り返して上がってきます。この巻き上げのとき、途中で軽くなっても、バラしたと誤認しないこと。時折、バラしたと誤認して、周囲の方々と大変なオマツリになってしまうこともありましたので、油断できません。
イサキ、イワシ(ウルメ、カタクチなど含む)
この時期に釣れてくるウリ坊は、小アジと同様、プルプルプル、ツンツンツンと小さな感触。これらは、前回のようにイナダ、ワラサなど泳がせ釣りも目論んでいる方には、堪らない好エサとなります。アジのタナによりも、やや上のことが多く、仕掛けの下バリ、上バリの掛かったハリで両者の泳層を見分けることが必要でしょう。
尚、こうした小物は、泳がせ釣りに使うとか、自宅で料理に使うならいいのですが、そのままバケツに放置し、死なせてしまうぐらいなら、筆者はまた大きくなって会えるよう必要以外の分は、さっさ放流しています。
その他のサカナ
ここでは、底物を例にとってみますと、主にアジを釣っていて、タナぼけしつつ、仕掛けがタナより下がっていた場合、トップバッターはフグ族。彼らは食い気が旺盛で、盛んにアタックしてきます。ウィリーの細い仕掛けの場合では、アタった何度かに一度は硬い口でハリス切れ、またはハリスが痛んでいるので要注意です。フグ族も25cm以上の大中型はゴンゴンゴンと引き味がよく、何か別のサカナの引きを感じさせられ、水面で時折膨らんだ姿をみて、ため息も。
その中で、鋭角的なするどいクンクンクンと連続するタイのようなアタリは、カワハギ。フグ族と誤認しながら水面が赤くなって顔がほころぶのがホウボウ。アジが掛かったと思い追い食いを待っていたらイナダのようにクンクンからいきなりゴン、強烈なアタリで食ったヒラメ。そのときはヒラメ40でなく、一口ヒラメ。たぶん丸のみ状態で、上げてから平べったい姿をみて意外ながら、うれしかった思いも。ハリスも2号で慎重にやり取りし、引きをドラグでかわしつつ上げ、水面近くでは横走りがなかったので何だろうと思いきや、1kgクラスのヒラメでした。
その他の多種多様なサカナは、その場面場面で専門に狙っているときとは違った引きを感じさせながら、アタリ、引いてくるので、その釣り上げるまで「わからない」ことがこの釣りの醍醐味なのでしょう。
<永井英雄/TSURINEWSライター>