日本の広い範囲で漁獲されながらも、あまり利用されてこなかったシイラ。しかしとある意外な理由でいま、この魚の価値が上がっています。
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なぜシイラは高騰したのか
そんなユニークなシイラの価格がこの度突然高騰した理由はなんと「円安」。最近の記録的な円安により、国産のシイラが「外国市場において」魅力的な食材となっており、輸出需要が生まれたのです。
シイラのさっぱりとした白身は、生食や淡い味付けの調理ではあまり真価を発揮しない一方で、油を使った調理に使うと肉汁がジューシーで非常に美味になります。そのため我が国ではあまり価値の無い魚である一方、海外の各地で人気の高級魚となっているのです。
ハワイではマヒマヒと呼ばれ非常に珍重されているのが有名ですし、台湾やフィリピンなど南洋の島嶼国ではいずれも重要な食用魚となっています。海洋温暖化で我が国におけるシイラの漁獲量が増加傾向にあるなか、今後我が国における重要魚種となっていくかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>