想定外の大物浮上に歓喜
腕に力を入れてリールを巻き上げると、足元から張りだしているハエ根にミチイトが擦れている感触が伝わってきたので、1歩、2歩前に出てサオを水平にしてハエ根をかわしながらリールを巻く。しかし、上がりかけていた魚が磯ギワに張り付いたのか動かない。
そのまま数分待つと魚がググっと動きだしたので、今がチャンスとばかりに巻き上げると、今度は段差に張り付かれた。同じように数分待つと動きだしたが、ミチイトはハエ根に擦れていて今にも切れそうだ。
時間はない。最後の勝負に出る。リールを強引に巻き続けると魚が海面に浮いた。キャップライトの灯りをつけて確認すると、大きな黒い魚体だ。
安全にタモ入れできる船着きまで魚を誘導し、タモですくい磯にずり上げたのは、想定外のアラ75cm5.8kgだった。「自己初のアラ獲ったど~」雄たけび一発。超うれしい。その後、フカセ釣りのみで、ウミゴイ、イサキ、アラカブなど数尾を追加し夜明けを迎えた。
午前4時30分に納竿し、磯に付着したまきエサを洗い流した。釣りは筋書きのないドラマ。何が起こるか分からないから面白い。
<週刊つりニュース西部版APC・新増初生/TSURINEWS編>