7月下旬、福井県敦賀湾に続き、今回は福井県茱崎漁港に停泊している「HOZAN」に乗り込み、越前沖のイカメタルを楽しんできた。前回同様、釣果は今一つであったが、スッテのカラーや重さなど、試行錯誤して釣果に結び付けてきた。実釣の様子を交えながら解説していきたいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター笠野忠義)
2時間経過で待望のヒット
釣り開始から2時間。ライトがついて小一時間過ぎた辺りから、ようやく反応が出てきた。水深約50mで19m~22m辺りで反応が出て、ようやくヒットした。流れが緩くなってきて、スッテを20号から15号に落としてしばらくしてからのヒットであった。その後もぽつぽつと3杯ほどかけたが、そこからまたピタッとアタリが遠のき、厳しい時間が過ぎた。
魚の群れ出現
アタリが遠のき一服したあたりだろうか、辺り一面カタクチイワシの群れだらけになった。確かに、ラインにコツコツアタる感触が伝わってくる。しかし、カタクチイワシがいるということは、いずれ魚が入ってくる可能性がある……と思っている矢先に、小型青物の群れが入ってきて、一段と釣りづらい状況に。
カラーと重さを変更
スッテやラインに魚が当たってきて集中が途切れてきた。ここでリグを派手めにしていたのを地味めに、スッテの号数も12・15号から20号まで上げた。カラーは、派手だと魚に発見されやすいという観点からのチョイスである。リグの号数だが、魚の層を早くに突破したいという観点からのチョイスだ。敦賀の釣行時に、水深があるポイントだと、軽いリグを落とすと時間がかかってしまいタングステンのスッテを多用していた記憶があり、それを教訓に指示のあった号数より上げたタングステンの20号を入れた。
本命はエギ
「スッテの号数を上げすぎると釣れなくなるのでは」と思う方もいるであろう。しかし、これまでHITさせてきたのはいずれも「エギ」にアタったものばかり。そのことから、エギ(浮きスッテ)に乗せるイメージで、スッテは「捨ておもりがわり」のイメージで釣りを組み立てた。スッテで釣れたらラッキーぐらいの気持ちだ。
スッテの号数を上げれば、スッテのサイズもおのずと大きくなってしまうが、そんなときのタングステンのスッテだ。高価であるため、無理にオススメはしないが、揃えている号数のスッテの中に1本入れておいてもいいだろう。
狙い的中でアタリ到来
リグを変更後、すぐに答えが出た。ラインに魚が触れてくるのは仕方がないとして、今までアタリがあった20mライン辺りに狙いを絞り、その下辺りから誘いを開始。19m~14m辺りで明確なグンと重さが乗るアタリが!ワンピッチショートジャークで誘い上げてきてステイ。その後、たたきを入れてステイ……で上のエギにしっかり乗ってきてくれた。ここまで長い時間がかかったため、うれしい1杯となった。
最終釣果
多少風が出てきて、波立ってきた。当然、波があるということは流れも出てくるし、あまり軽いとリグの安定にも欠けるので、スッテの重さはそのまま。最後までこのまま釣り切り、結果6杯となった。
最後に19mラインでグン!と大きなアタリが出たが、残念ながら大型のエソであった。スッテの重さも、船長が「〇〇号で」とあったら、それ以上は下げない。上げるのは構わない。指示のあった号数で通したくなるが、状況をよく読んで見合ったスッテをセレクトするのが釣果を伸ばすコツかと思う。この駆け引きも今後の釣果に生かされることだろう。
状況への対応が奏功
敦賀釣行の時は、2枚潮の対応と状況把握に苦戦しながら、良型のマイカをヒットさせてきた。また、水深もあることからどう対応していけばいいか迷っていた。今回の越前沖は、1度来た事があったためか、なんとなくではあるがポイントの情報は理解していた。結局は魚が沸いてタナを絞りにくい状況ではあったが、スッテのカラーや重さをかえて結果が出せ、また敦賀釣行時の経験も盛り込んで、やり切った感がある釣行であった。
また、「エギに乗せるつもりで……」という発想も自分でも評価したい部分である。スッテに乗らないのであれば浮きスッテに乗せればいい……。ターゲットの情報と現在の海況に合わせた駆け引きは大事だと実感した。
掛調子タックル
タックルも、高切れのトラブルがあり掛調子1本で臨んだが、オバマリグ使用時でもかなり使える。普通に扱えばキビキビした動きになるのは前回にも解説したが、ゆっくりした動きを出すときはゆっくり誘えば何ら問題はない。誘いのバリエーションを1段目と2段目と変えてみるのも面白いかもしれない。
掛けた時も、穂先のほうまで張りがあるので小さい動きで素早く掛けられる。イカパンチが多い状況で生かされるのではなかろうか。ただ、ひとつ欠点を言うとすれば……「一日通して使うには、張りがあるので疲れる」。さすがに体力がいった。