現役船長が徹底解説 【博多湾タチウオの魅力と3種の釣り方キホン】

現役船長が徹底解説 【博多湾タチウオの魅力と3種の釣り方キホン】

イカメタルゲームと並んで、福岡エリアの夏の風物詩として人気が高い博多湾タチウオ。今回はエル・クルーズの岩室船長が、夏の風物詩タチウオ釣りについて語る。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)

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オフショア ソルトルアー

博多湾の夏の風物詩タチウオ

いまではすっかりなじみの深いターゲットとなっているが、実のところ博多湾タチウオの歴史は浅い。

それまで釣れなかったのか、はたまた誰も気づいていなかったのかは定かではないが、約10年前に突如として博多湾でタチウオが狙えるということが一気に知れ渡り、爆発的に人気に火がつき、そして人気ターゲットの一つとなっていて毎年6~8月のシーズンになると土日は遊漁船・プレジャーボートの多くがタチウオ狙いで湾内のポイントに集結して賑わいを見せている。

近場で手軽に楽しめる

博多湾タチウオゲームの人気の理由としては、その手軽さがひとつの要因となっている。福岡市内の港からだとポイントまで約20分と近く、湾内での釣りになるので多少風が強い日でも海面は穏やかで、なおかつ4~5時間ほどの短時間でも十分に楽しめることができる。

また、釣りとしてはさほど難しい釣りではないので、初心者でも釣果を期待しやすく、女性・子どもにもチャレンジしやすい釣りだ。

タックルは流用もOK

人気の高いターゲットなので専用機種も発売されているが、博多湾でのタチウオゲームは様々なタックルを流用して楽しむことができる。

ルアー釣りのジグ、エサ釣りのテンヤでは釣りの特性が違うので流用するタックルには向き・不向きもあるが、ジグの場合はSLJやタイラバロッドが扱いやすい。

テンヤを楽しみたい場合はジグ同様にSLJ・タイラバロッドも流用することはできるが、タチウオの繊細なアタリをとらえやすくするために、ティップラン・イカメタルロッドもお勧めだ。これらはスピニング・ベイトのどちらでも問題ないが、共通する部分としてはPEラインは0.8号程度、リーダーは16~20lbとなる。

現役船長が徹底解説 【博多湾タチウオの魅力と3種の釣り方キホン】タックル図(作図:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)

また、タチウオは食い方が下手なので、その鋭い歯でラインを切っていくことも少なくないが、予防策としてワイヤーリーダーを使用したり、先イトとしてルアーから20cmほど上までの部分を60lb程度の太いリーダーを使用しても良い。ただし、個人的にはこれらの対策は食いが落ちる原因ともなると感じているので、釣果を求める場合は、これらの対策は行わない方が良いと思う。

ジグとテンヤどちらでも楽しめる

2~3年ほど前まではメタルジグで楽しむアングラーがほとんどだったが、ここ数年テンヤで狙うアングラーも増えてきている。日によってメタルジグ・テンヤのどちらでも釣れることもあれば、メタルジグが有効な日、反対にテンヤの方が有効となる日もあるので、どちらも準備しておくと良いと思う。

メタルジグ

メタルジグの場合は80gがベース。博多湾のポイントは水深15~20mほどなので、もっと軽いウエイトのジグでも問題ないが、ジグが小さすぎると丸のみされやすく、その鋭い歯でラインをかみ切られかねないので、あえてシルエットが大きくなる80gをベースにすることがセオリー。その中で食いが悪いときは40~60gにウエイトを落としたり、強風などで釣り難い場合は100gなど重いウエイトのジグを使い分けていくと良いだろう。

ちなみにジグの形状はロングタイプがベターでカラーについては、個人的にはグロー、ゴールド、ケイムラがお勧めだ。

テンヤ

ベースとなる重量は10号前後。ただし、風が吹いて船が速く流される状況においてはラインに角度が付きすぎてフッキング率が悪くなったりと釣り難くなるので、20号までは準備しておくことをお勧めする。無風・微風では10号、少し風が吹く状況であれば15号、強風時は20号またはそれ以上の号数を使い分けていくと良いだろう。

しかし、全国的に見た場合タチウオテンヤでは40~50号以上のテンヤでエサはイワシやサンマの切り身など、大きなエサを使用することが多い。対して博多湾の場合は10~20号と比較的重量の軽いテンヤを使用し、エサもキビナゴが主流となっている。

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