伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両トロロをやってみよう」。今回はトロロエサの鬼門とも言えるハリ付けを見ていこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
ハリ付けはどうする?
今回は実践編です。正直、トロロを嫌う人の多くがハリ付けが苦手だからだと思うんですよ。私も含めてですけど。でも前回で基エサ作りの基本は理解できたので、今回はぜひハリ付けもマスターしたいです。
「いいねぇ、そういう前向きな発言は(笑)。でも確かにあのヌルヌルしたモノをハリ付けするのは不慣れだと厄介かもしれないね。そこでだ、まずはダンゴをハリに付ける感覚を頭から取り払ってくれる?」
と言うと?
「ダンゴだと指の中でこねたり丸めたり整えたりして、それをハリに上下いずれかから差し込んで、必要なら形を整え最後にチモトを押さえて、みたいな流れでしょ」
はい。
「それらをすべてやらない。と言うよりも、トロロでは、ほぼほぼできないからやらない!」
なぜできないのでしょうか?
「基エサ作りの段階で感じたと思うんだけど、あのヌルヌルだよ。丸めようとしたって滑ってうまく丸まらないし、整えようとしても指にくっついてしまってキレイには整わない。つまりエサに触れば触るほど、ヌルとベタ付きのせいでキレイにはいかないんだよね」
では、どうすれば?
「では順序立てて見ていこうか」
基本は引っ掛けるだけ
(1)ハリ付けに必要な分だけを基エサからちぎっって、それをボウルのヘチなどにペタッとくっつけて準備しておく。
(2)(1)でちぎったエサを左手(右利きの人)の湿らせた指先でつかむ。
(3)右手でハリス(ハリから4~5cm上)を持って(2)で準備したエサの下側から引き抜く感じで引っ掛ける。
(4)ハリがエサの中心付近まできたら引き抜くのをやめる。
(5)つかんでいた左の指先をエサに触れたまま下側へスライドさせつつ、ひし形、もしくは逆円すい型になるように軽く整えて指先を離す(折りたたむように)。
つまり左の指先は、ボウルからエサをつまんだら、フィニッシュまで一度もエサから離れていないわけですね?
「そうなるね」
しかも指を離す時に、エサの下側にスライドさせるようにして、そのままひし形などにしている。つまり指先のエサからの離脱と整形を同時に行っているわけですね。
「そうなんだけど最初のうちは整形なんか気にせず、ハリにしっかりエサが残るようにハリ付けすることだよね。そのために重要なのが行程(3)と(5)の位置・力加減のバランスなんだよ」
シロウトでもできる
なるほど。指先をエサから離す際に、どうしても抵抗(ベタ付き感)になってエサを引っ張ってしまうから、その引っ張られる分を計算して、あらかじめハリをエサのどの位置まで引き抜くかをバランスさせるといいわけですね。
「そういうこと。美緑を使うことで指離れがかなりよくなっているんだけど、それでもベタ付き感はある。つまり触れたり離れたりを繰り返すほど、ハリ付けがしづらくなるのがトロロエサのデメリットなんだよね。ダンゴエサなら可能ないわゆる小細工が、トロロではほぼできない。だからハリ付けは一発勝負なんだよね」
でも実釣時の代打ちでも感じましたが、最初のうちはうまくいかなかったハリ付けも徐々にできるようになりました。シロウト同然の記者でもマスターできたのですから読者の皆さんなら、それこそもっと上手にハリ付けできるのではないでしょうか。
「そこが美緑の魅力だと言っておこうか」
おあとが宜しいようで。
次回も「両トロロをやってみよう」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>