明石タコは、潮の流れに鍛えられたおいしさでブランド化をしています。その味わいは旨味が強く、間違いのないものです。それが、昨年今年と釣況が少々芳しくなく足が遠のいていましたが、早くに梅雨も明け、夏の明石タコを半夏生に食べたいと、ボート釣りで明石沖に狙いに行きました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
半夏生にマダコを食す習慣
半夏生とは雑節のひとつで、夏至から11日目の7月2日~7月7日ごろの5日間を言い、農家ではここまでに田植えを終わらせるということだそうです。
関西には半夏生にタコを食べる習慣があり、特に播磨灘に面する播磨地方や淡路島では、タウリンたっぷりの栄養豊かなマダコが食されてきました。流通網が少なかったころは、播磨地方のあちらこちらから明石の魚屋などに買い付けに来られ、古くから明石タコは流通されていました。
このマダコを食べる習慣が今でも地元では残っていて、私も毎年少しでもいいからとマダコを釣り、旬のおいしさを味わっています。
マダコの釣況は微妙
昨年の明石タコ釣りは、7月に入ると尻すぼみとなり、低調で不漁となりました。本年(2022年)も早々から芳しい状況ではなく、6月の老舗乗合船のサオ頭は、例年ならば数十ハイ以上楽勝の方々なのですが、二けたに届く程度の状況です。
回遊性でなく定着性のマダコの場合は、何かの歯車が狂うと大きく状況が変化するようです。乗合船もかなり沖まで出張っているようで、苦戦なシーズンです。メーカー系テレビ番組もとんと来ないようで、今年は放送がないですね。
でも、釣りにくいからこそ釣りたいし、そもそもマダイより値が高いマダコがホイホイ釣れる方がおかしく、マダイを10匹釣ったら手は舞い足は踊るですから、マダコ10匹釣れば、こりゃ上出来と思わなくてはいけないのでしょう。
巣の周辺でエサを待つ
梅雨が早々に明け、雨が降っていません。降雨で川の水が入り、プランクトンが増え、マダコの好物の甲殻類が増えるとマダコは活性が上がります。そして、浅場の明石二見沖にやってきますが、まだ深場にいるようです。
40mの深場で狙うのと、15m前後までの浅場で釣るのでは、容易さは勿論ですが、駆け引きのおもしろさが違います。マダコは、移動しながらエサを探すより、巣の周囲一定範囲にくるエサを狙います。エサが多いところはマダコの寄り場で、巣がたくさんあり、こういう場所を見つけたら、ポンポンと釣れます。釣られて空き家になった巣は、多くの場合すぐに違うタコが入るそうです。
誘いは「間」が大事
マダコの好物は、エビカニの甲殻類。だから、タコエギはエビのような風体で、大好物の姿で惑わせる釣り方ですが、それを見つけ認識させて、エサを押さえ込む間が必要でしょう。船が1ktで流れたら秒速は約50cmと速いです。タコが見つけて乗っかる前に走り去ることになるような気がしますが、いかがでしょうか。
巣からにらみを利かせていたタコが出てきて、押さえ込めるような間を作ってやらないと、今年はただでさえ少ない個体数ですから釣れないと考えます。そこで、いつもの誘い方の細かく小刻みなものではなく、今日の誘いは大きくゆっくりと間を取ることを忘れないようにしました。