タコは堤防から手軽に釣れると聞いても、実際のところ「なんの仕掛けで釣るのかわからない」「どんな場所で釣れるかわからない」など悩んでしまいます。ここでは堤防でタコを釣る際の基礎知識と、タコ釣りの基本となる3種の仕掛けを解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部 松村)
タコエギ仕掛け
陸からのタコ釣りでは主に3種類の仕掛けが使われます。これらの仕掛け3選の特長と釣り方を解説します。まずは「タコエギ」から。
エギはイカ用もタコ用も形状はほとんど同じ形をしています。大きな違いは以下のようになります。
1.イカ用は全方向に向いた細いカンナ状の針になっているのに比べ、タコ用は根掛かりしにくいように針は上向きの掛け針になってる。
2.キラキラ光るブレードのような装飾がついたものや、ラトルがついていて音で寄せる機能が付いていることが多い。
3.イカエギよりも比重が重く沈ませやすい。
スナップにオモリと一緒に付けて使用しすると沈下速度が早くなり、潮が速くても浮かないため使いやすくなります。またタコは派手なものに興味を示しやすいので、タコエギを2~3つ付けたり、ブレードなどの集寄を付けるてアピール力を高めるのも有効です。
タコエギのタックル
7ft程度の専用ロッドがおすすめです。他には、硬いルアーロッドであれば代用も可能ですが、障害物に張り付いたタコを引き剥がす際にはロッドに高い負荷が加わるので、バッドパワーがあり強度の高いものを選びましょう。
リールはドラグ力のある4000番以上のスピニングリール。ラインはPEライン2号~3号程度を基準に巻き、根ズレ防止のフロロカーボンラインの8~12号程度のリーダーを付けます。
タコエギでの釣り方
タコエギの釣り方はボトム狙いが基本です。アクションはボトムをズル引きや、ズル引きしながらシェイク、狙ったポイントで止めてシェイクといったアクションが有効になります。このとき、底からタコエギが離れるとアタリがなくなるので、気を付けながら誘いましょう。
誘いを繰り返した時に、穂先が戻らなくなったり引っ掛かったようになったらアタリです。竿を大きく上げてアワセを行い、糸が緩まない様にテンションをかけたまま一定のリズムで巻き取ります。
岩などに吸盤で引っ付いて、根掛かりした様に思えることもありますので臨機応変な取り込み対応が必要です。
テンヤ仕掛け
テンヤとは、カニやイワシなどの餌を固定する台座に大きな針を取り付けた仕掛けです。餌を付けるのではなく、カニなどを模したルアーが最初から付いたテンヤも販売されてます。
台座自体がオモリの役目を兼ねている物がほとんどで、自作する人も多い昔ながらの釣具です。
テンヤ仕掛けのメリットとしては、餌を付けて嗅覚に訴えることができることや、形状から根掛かりに強いということが挙げられます。ただ、タコの場合必ずしも生餌だから釣れやすいというわけではなくルアーが有利な状況も存在します。
テンヤでの釣り方
タコのテンヤ釣りでは「竿を用いた釣り」と「糸巻きを利用した手釣り」の2つのパターンがあります。
「竿を用いた釣り」は前述のタコエギ同様の釣り方を行うのに対し、「糸巻きを利用した手釣り」では防波堤の岸壁やテトラの穴などに沿って仕掛けを落とし、底を取りながらチョンチョンとアクションを行いタコを狙います。
堤防際を移動して探る際は。潮の流れに沿って移動しないとテンヤが浮いてしまい底をとれずタコにアピールすることができないので気を付けましょう。
テンヤでのタックル
竿を使ったテンヤ釣りの場合、タコエギと同じタックルで問題ありません。手釣りの場合は25号などの太い糸に巻きつける用のボビンなどを用意します。根掛かりしたときに切れるようにリーダーは付けておいたほうがいいです。
タコジグ仕掛け
タコジグはオモリが仕込まれているタコベイトで、堤防の岸壁に付いたタコを縦に探って狙うのに効果的な仕掛けです。1つだけでなく2~3個のタコジグを連結させて狙うのもいいでしょう。
タコジグでも投げて底を誘ってくる釣りも可能ですが、針が全方位に向いていて根掛かりしやすいので、タコエギやテンヤに変えるほうが無難です。
タコジグのタックル
ロッドはタコ専用のロッドに加え、遠投する必要のない仕掛けなので船のタコ釣り用ロッドなど、船竿も流用可能です。タコジグの場合も岸壁についたタコを引き剥がすため、バットパワーのしっかりしたものを選びましょう。
基本的に縦の釣りになるので、リールは糸の出し入れがしやすいベイトリールが向きますが、スピニングでも問題ありません。やり取りする範囲は短いものの、大ダコを岸から引きはがす際にはリールへ大きな負荷が掛かるので、ドラグ力があり堅牢なリールがいいでしょう。
ラインは岸壁に擦れる場面が多く、投げる場面も少ないので、思い切って6号などの太いPEラインを使うかフロロカーボンライン10~12号を使うといいです。
タコジグでの釣り方
基本的な釣り方は岸壁スレスレへ落として探り、アタリがなければ移動を繰り返します。アクションはスカートを踊らせることを意識し、数cm刻みで下げては止めるのを繰り返して下に下に探っていきます。
アタリは突然テンションが抜けたようになるので、違和感があったらアワセてみましょう。アワセを入れるときは、沖側に竿を向け岸壁から離すように上げます。こうすることで空アワセでも岸壁のイガイなどに引っ掛かりにくく、タコが乗っていても岸壁から引き離して浮き上がらせることが出来ます。これは回収時や同じタナで誘いたいときなど、ほかの竿を上げる動作を行うときも、根掛かり防止のために徹底しましょう。
また、底にも障害物があってタコがいそうなときは、底でタコジグを踊らせてエサを求めて移動してくるタコを待つのも有効です。こちらは底にタコジグが寝てしまうと根掛かりの可能性が上がるので、着底するかしないかの底ギリギリの位置で誘うようにしましょう。