様々な釣りで顔を出す、いろいろな点で厄介な魚「ヒイラギ」。そのせいで散々な地方名を持っていますが、食材として人気のある地域もある魚です。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
ゲスト代表魚「ヒイラギ」
梅雨を迎え、水温が上がってくるこの時期になるとしばしば顔を見る小魚「ヒイラギ」。銀白色のボディに黄色や黒の差し色が入り、ぱっと見はとても美しい魚と言えます。
しかし、釣りなどで触れる機会があると、全身を覆う強いぬめりに難儀させられます。また背鰭や腹鰭の先端が鋭く尖っており、これが手に刺さるとぬめりも相まって非常に痛く、嫌われています。
ちなみに標準和名はこの尖った鰭を「柊の葉」になぞらえて名付けられたそうです。
ひどい地方名がいっぱい
ヒイラギは大きくても10cm程度の小魚です。内湾にはヒイラギ、外洋にはオキヒイラギなど、身近な環境にもいくつかの種が生息していますが、多くの地域では特に区別されることもなく、また釣りのターゲットや食用に市販されることもありません。
広い範囲に生息するため各地に地方名が存在しますが、上記のような存在なので、どちらかといえばあまり良くない意味のものが多いように感じます。
例えば東京では、年配の人を中心に「ゲドウ」と呼ばれます。これはもちろんヒイラギが求められるような魚でなかったためです。また全国的に、上記の鋭いトゲから「ネコナカセ」「ネコゴロシ」と呼ばれており、人にも猫にも嫌われているかわいそうな魚といえます。
更にそのぬめりの多さから連想された「ハナタレ」「ヨダレ」なんていうひどい地方名もあるようです。