伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両ダンゴの宙釣り・管理編」。今回は自分のハリ付けに合ったエサや仕掛けの重要性についての続きです。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
開く基エサを作る
さあ1週間待ちに待ちました(笑)。早く正解を教えてくださいよ。
「あれ?どこまで話したっけ?」
記者のハリ付けとエサが合ってないって……。
「そうだったね。ゴメンゴメン。復習すると記者さんのハリ付けは、どちらかと言えばていねいなほう。ところが触りが出ない。そこでエサを軟らかくする。すると途端にエサが持たなくなるだったよね」
はい。そうです。
「と言うことはだよ、根本的な問題は軟らかくする前のエサで触りがでない点だよね。だって触りなりアタリが出れば軟らかくなんかしてないのだから」
はい。そうなんです。
「であればもう少し開く基エサを作ってみたらどう?またはもっと仕掛けをゆっくり落下させるとか」
持たないと言っているのにエサを開かせるのですか?
「いやいや、そこじゃなくて問題はウキの動きでしょ。ボクが思うに記者さんのエサは、そもそもが持ち過ぎなんだと思うよ。エサがしっかりし過ぎているとか、ウキの浮力が強すぎるとか、ハリスが短いとか。あとはハリが大き過ぎるってのもあるかな」
だから触りが出ないということですか?
「断定はできないけどこのいずれか、もしくは複数の要因で、作ったエサの開きが悪い。さらに言うならハリ付けがていねいだから、余計にエサが持ってしまう=開きが足りないってことかな」
仕掛けで開かせよう
うーん……いまいちよく理解できません。
「ではこうはどう?エサって重いエサを軽く使うこともできるし、その逆もある。またネバるエサをハリ付けや仕掛けとかで開かせることもできるし、またその逆で開くエサを仕掛けとハリ付けで強制的に入れ込むなんてこともできる」
かなりの高等テクニックですね。
「そんなことはない。実は気づかないうちに、みんなが自然にやっていることだと思うよ」
ちなみに伊藤さんは?
「ボクの場合はどちらかと言えば開くエサをウキとか仕掛けで入れていくタイプかな。でもその逆のほうが反応がいい時もある。そういう時はネバるエサを作って、それをウキなりハリスなりハリの大きさや重さで開くように仕向けるかな」
なるほど。つまり私の場合はハリ付けにしろ仕掛けにしろ、エサが開かない方向だった。だから反応が悪い。ゆえに対策としてはエサのブレンドをもう少し開くタイプにしたほうがいいってことですね。
「そういうこと。あとは、もし今のままのエサを使うなら、もう少し仕掛け全体を軽くするとかもいいかもね」
確かに、ウキはかなり大きいかも(笑)。
「管理釣り場の場合、寄せるうんぬんよりも反応=触り。これに尽きると思うんだよね。反応がいいってことは=魚も寄せられているってことだしね」
「ピンポン状態」とは
でも一つ疑問なんですが、どうして持ち気味なのに軟らかくすると持たなくなってしまうのでしょうか?
「一気に軟らかくし過ぎてるとか、食わせようとして無意識にハリ付けが小さくなってるとか。覚えがない?」
そう言われれば、手水をドバッと足していたかもしれません。
「あとはネバり過ぎてピンポン状態になってるとかも考えられるかな」
ピンポン?何ですかそれって?
「開きが悪いと食い気のない魚までもタナ付近まで呼び込んでしまい、かえってエサがナジませにくくなる現象のことを言うんだよね。そういう感じになったことはないかな?」
あります!練ってるのに持たないことが。しかもそういう時は決まってウキが激しく上下しています。
「食い気のある魚ならそれをひったくって食ってしまうけど、食い気がないとただナジミをジャマするだけになっちゃうことがあるんだよね。だから食いが悪い時ほど、開きって重要になるってこと。大事なことだから覚えておくといいよ」
次回も「両ダンゴの宙釣り・管理池編」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
加須吉沼
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