日本人が大好きな牡蠣。ただ、夏にかけてのこの時期は牡蠣による食中毒に気を付けなければなりません。今回は、牡蠣で食中毒になる主な理由と対策について解説していきます。
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対策1:危険な時期を避ける
真牡蠣は、夏場は産卵期にあたるため、身が痩せて美味しくない上に、菌の繁殖が活発になるため、食中毒の危険が増します。
そのため、「牡蠣を食うのも花見まで」と言われたりします。
また、英語圏では「Jun」(6月)や「August」(8月)など、「R」の付かない月(6~8月)には食べてはいけないと言われています。
大体11月頃から美味しくなり始め、最も味が良くなるのは産卵の準備にはいる3~4月頃で、身がたっぷりと栄養を蓄えて太っています。
しかし、これは真牡蠣だけのことですので、岩牡蠣については夏場が旬なため、美味しく食べることが出来ます。
しかし、美味しいだけで上記に危険性は変わりません。注意して食べるようにしましょう。
対策2:しっかり加熱する
ノロウイルスや腸炎ビブリオはどちらも熱に弱いため、食べる前に十分に加熱をされた牡蠣であれば、それほど心配するものではありません。
ノロウイルスは85℃で1分半以上加熱、腸炎ビブリオは60℃で10分以上加熱をすればウイルスや菌は完全に死滅すると言われています。
生食用ではない牡蠣は必ず上記以上の加熱をするようにしましょう。
対策3:貝殻を消毒する
腸炎ビブリオは貝の身の中ではなく、貝殻についています。
牡蠣を食べる時に貝殻に口をつけてツルんと食べますよね。実はこの行為が一番危険だったりします。
腸炎ビブリオは真水と低温が苦手なため、水道水でしっかり洗うことで食中毒の心配がなくなります。
ですので、牡蠣を殻から食べる際は貝殻を真水でよく洗うか、貝殻だけ熱湯消毒をすると安心でしょう。
実は筆者は感染したて
かくいう筆者はつい先日、親戚から頂いた岩牡蠣で腸炎ビブリオに感染したばかりです。非常につらいので、おなじ苦痛を味わってほしくない一心でこの記事を書いています。
これらか岩牡蠣が美味しくなる季節です。牡蠣を食べる際はしっかりと処理をし、安心安全に美味しく食べて下さいね。
<近藤 俊/サカナ研究所>