エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】

エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】

エギングでアオリイカを釣るためには、アオリイカがいるポイントや、時期ごとの行動パターンなどを知ることが重要です。今回はそんな「アオリイカ」の生態から、釣りやすい時期や、時間、場所などの条件を徹底解説。また、全国各地域の釣れる時期がいつ頃なのかも解説します。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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エギングの時期と季節ごとのポイント

アオリイカは時期ごとに釣りやすさや、好むポイントが変わってきます。これには前述の項目で紹介した水温とアオリイカの成長サイクルが関係してきます。四季ごとに詳しく解説しましょう。

春は親イカ狙いのシーズン

春は産卵を控えた親イカが沿岸の産卵場に現れるため、成熟したサイズのあるイカを狙える季節になります。シーズンの開始は、沿岸の水温が産卵がはじまる水温の15℃以上になることを一定の目安としましょう。産卵のために浅場に差してくる個体を狙い打ちするシーズンなので、産卵床のある藻場など場所選びが釣果を上げる重要なポイントになります。

また、アオリイカは大潮に産卵し、産卵態勢に入ると体が真っ白くなり摂餌行動をほとんどしなくなります。そのため、産卵の合間の中潮や小潮に釣行する方が釣れる確率が高いと言われています。

エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】春は産卵場となるポイントを探そう(提供:TSURINEWSライター野中功二)

夏は大型が狙える

夏は産卵を終えて親イカが少なくなり、新子もまだターゲットになるほど成長した個体が少ないので、オフシーズンとして認識されていることが多いです。

ただ、アオリイカの産卵は複数回に分けて行われるため、必ずしも春に行われるわけではなく、夏にも産卵を行う個体は数は限られるものの存在します。

また、水温が高いことから元気な個体であればエサを活発に追う季節でもあり、アオリイカのいるポイントを探し出すことができれば大型の親イカを狙えます。春と同様に産卵場になるポイントが狙い目です。

エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】成熟しきった親イカを狙える(提供:TSURINEWSライター賀川正志)

秋は新子の数釣り好機

秋は、春に産まれた新子が大きくなりエギングで釣りやすくなるため、数釣りシーズンになります。

サイズの小さい秋イカは天敵となる青物などの魚から身を守るために障害物に身を潜めていることが多いです。居着きの個体を狙うので、1個所で粘るよりも移動を繰り返すラン&ガンスタイルの方が釣果を伸ばしやすいでしょう。

エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】秋は数釣りのチャンス(提供:TSURINEWSライター丸山敬太)

冬は場所選びが鍵

適水温から外れて多くのアオリイカが深場に落ちてしまう冬は、陸っぱりからは狙い辛い季節になるでしょう。ただ、冬でも一定の水温を確保できる場所であれば、浅場に居残った個体を狙える可能性があります。

エギングでアオリイカを釣るための5つの条件 【生態・時期・時間・場所・潮周り】水温計はアオリイカ釣りのポイント探しに活躍する(提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

温排水の流れ込むワンドなど水温を確保できる場所や、水温が安定する水深のあるポイントが狙い目。水温計を持っていき少しでも温かいポイントを探すのが冬のアオリイカを攻略するコツとなります。

地域による釣れる時期の違い

水温によって行動が変わるアオリイカは、暖かい地域や寒い地域ではどの程度釣れる時期が変わるのか、各地域の釣果を調べ、一般的にハイシーズンと言われる春秋を中心に釣期がいつ頃なのか調査しました。

北海道

以前は生息北限が青森までと認識されていたものの、温暖化の影響か北海道でも近年釣果が報告されるようになり、現在は北海道南部以南では狙って釣れるターゲットになりました。釣果は秋の新子シーズンに偏っていて、8月下旬から、水温が下がる11月の上旬頃までがシーズンとなります。

秋のみがシーズンなのは、本州で生まれた新子が暖流の対馬海流に乗って回遊し、メインターゲットになるためだと考えられています。そのため日本海側のほうが水温も比較的高く狙いやすいですが、津軽海峡を抜ける流れに乗っての回遊もあるようで、函館などでも釣果が確認されています。

東北地方

北海道と同様に、産卵するアオリイカよりも対馬海流で南方から回遊してくる新子が多く、釣期は「8月下旬から、11月の上旬頃まで」の秋シーズンがメインになります。

また、釣果は対馬海流が流れる日本海側や、海流が抜ける津軽海峡が狙いやすいものの、近年は岩手、宮城の太平洋側でも少ないながら釣果が報告されています。

関東地方

関東地方の場合、水温が低く暖流が届かない茨城などは個体数が少ないものの、それ以外の地域では産卵も行われ適水温の時期であればアオリイカを狙うことが出来ます。

伊豆半島や房総半島の先端、伊豆諸島など水温の高い地域では春イカは4月ごろから釣れ始め、東京湾内や相模湾内が少し遅れて開幕。6月頃まで産卵を控えたイカを狙えます。また、秋イカのハイシーズンは早いところで8月後半からはじまり、11月中旬ぐらいまで続きます。

東海地方

三重県の黒潮の影響が強い場所では、春イカの開幕が早く、3~4月頃に開幕し、長く釣れ続きます。愛知や静岡は少し遅く5~7月頃。秋イカは水温の高い地域で8月中旬頃に開幕。11月頃まで釣れ続きます。また、三重の一部では冬も狙うことができます。

北陸地方

春先に冷たい雪解け水が海に流れ込むことなどから春イカの開幕は全国に比べて少し遅い傾向があり、福井、石川、富山では6~7月の初夏がハイシーズンになることも多いです。

また、水温の低さから繁殖条件が整わないのか北に行くに連れて春イカの釣果報告は少なくなり、新潟では対馬暖流に乗って回遊してくる秋イカがメインとなります。秋イカは全国的な傾向通り9~11月がシーズンとなります。

近畿地方

4月頃から南紀エリアで釣れ出すと、南から徐々に北上していって、5月くらいに中紀エリア、6月くらいには日本海を含め全域で盛期を迎え、7月一杯くらいが春イカの釣期となります。

秋イカも暖かい南から8月中旬頃に開幕。11月頃まで釣れ続きますが、温暖な南紀エリアなどは冬でもロングランで楽しむことが出来ます。

四国地方

高知、徳島の太平洋側は黒潮の影響で海水の温度が比較的高い傾向にあるため、場所によっては一年中アオリイカを狙えます。3月頃から産卵期のイカを狙うことができ、初夏まで長く釣れ続きます。愛媛の南予方面でも早く、4月頃から開幕することもあるようです。

また、香川、愛媛の瀬戸内海側では奥まった海域ほど水温上昇が遅く5月中旬から6月ぐらいがメインシーズンとなります。秋イカは9月頃から各地で開幕し、瀬戸内側は11月一杯ぐらいがシーズン。太平洋側は水温の高い地域なら冬に入っても狙うことが可能です。

中国地方

広島、岡山の瀬戸内海側は5月中旬から6月が春イカのメインシーズンになります。島根、鳥取の山陰地方はGW前ぐらいから6月まで。山口では日本海、瀬戸内海側とも、他地域より少し早い4月から釣果が上がり始めます。秋イカは9~11月がメインシーズンです。

九州地方

対馬海流と黒潮の影響を受ける海域が多く、春は早いところでは3月頃から産卵期を控えた親イカを狙え、初夏まで釣れ続く地域が多いです。

最盛期となると福岡、大分、佐賀、長崎は5~6月の釣果報告が多く、鹿児島、熊本、宮崎の南部はシーズンインから盛期が長続きして夏に入るまで釣れ続く傾向にあります。

秋イカシーズンは他地域とそこまで変わらず9~11月頃ですが、鹿児島などは冬に入ってもしっかりと釣果を出せる環境にあります。

沖縄

温暖な沖縄ではシロイカに加え、小型のクワイカと大型のアカイカもメインターゲットとなります。水温が高いため沿岸部に留まるアオリイカも多く、一年中狙うことができますが、産卵の最盛期とされる12~2月頃の冬が大型のイカを釣りやすい時期です。新子は夏も狙うことができますが、秋の9月頃からが本格的なシーズン。1~2kgクラスも交じりながら狙えるのが魅力です。

全国的なベストシーズン

各地の釣果情報を比較した結果、春は産卵期に入るための水温がトリガーになることからか、各地域でベストシーズンに差が出ることがわかりました。水温の低い地域では親イカ狙いが成立しない県や、初夏にズレ込むこともありますが、水温の高い地域では産卵期が始まるのが早く、中には1~3月と春の釣果が大きく変わらない県も存在します。

また、秋はシーズンの終わりは地域差があるものの、基本的には多くの子イカがエギングで狙えるサイズになる、9~11月に釣果報告が集中するのが共通したパターンとなります。

シーズンについては年によって変わったり、ポイントごとにも変動します。必ずしも当てはまるわけではないので、ネットや釣具店などで釣果情報を確認する必要はあるでしょう。

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