サクラマスジギングのステップアップ解説。今回は、サカナに追わせるきっかけと、食わせるきっかけ、それぞれのトリガーについて解説していきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
サクラマスジギングのバイト
先日の釣行で友人がルアーとカメラをともに沈め水中撮影をしました。映像を確認してみるとルアーに寄り添うようにサクラマスが追尾、ルアーの動きを伺いながら、ルアーに接近したり離れたり、という映像を確認しました。渓流や湖、管理釣り場などのトラウトの動きによくある行動です。
スプーンやミノーを一定にリトリーブすると後ろから追尾する魚影を発見。食わせようとしてワンアクション入れると、途端にソッポを向いて魚は元の深みに戻っていく。こんな経験をしたことはありませんか?海のサクラマスもやはり、同じような行動をしていると考えていいでしょう。
バーチカルジギングのために、アングラーは視界に捉えることができないだけというのが事実だと思います。そう考えた時、サクラマスを誘い追わせてバイトに持ち込むには何が必要なのか?今回はサクラマスをジグで釣るための2つのスイッチを考えてみたいと思います。
チェイスを促すトリガー
サクラマスジギングでは一定の幅を、繰り返しジグを上下させて狙います。一定の幅、狙うレンジは船長の勘や魚探での魚やベイトの反応を見ての指示、他船からの情報などを頼りに釣り込みます。潮加減などで魚の活性があれば、魚の追いも活発でバイトも得やすいのですが、そんな簡単な場面ばかりではないのはどの釣りでも同じです。
サクラマスは居るのにジグに対して反応せず、釣れない。或いは映像のようにバイトまで持ち込めないのは何が足らないのか?この点を理解して魚にジグを追わせて、バイトするように仕向けることができれば、釣れる魚は多くなるはずと考えます。
どのフィッシュイーターでもそうですが、自分(魚)から遠ざかるものは獲物だという認識を持っています。逆に自分(魚に)に対して向かってくるものは捕食者などの外敵です。サクラマスも当然、同じで逃げるものには好反応です。船長の(移動するので回収してください)のアナウンスの後にただ巻きでのヒットがあるのはサクラマスジギングでもよくあることです。
この時の要素、速巻き、波動、自分から遠ざかる動きは、サクラマスの食性をよく刺激します。やる気のないサクラマスに摂餌行動を強く促すのは、スピード、波動、逃げる動きの3点です。これはサクラマスにジグを獲物と認識させてチェイスを促すトリガーとなっています。
バイトを促すトリガー
続いて、バイトを促すトリガーですが、サクラマスはいったんジグをチェイスし始めると、執拗に追います。しかし、ここからバイトに持ち込むにもなんらかのキッカケ(トリガー)が必要です。追わせるトリガーとバイトに持ち込むトリガー、この2つが絶対に欠かせません。
ジグのタイプ
サクラマスジギングではセミロングタイプのジグを使用するアングラーが多いです。その理由はジャークした時の跳びのよさと、安定したフォールアクションという優等生的なアクションが期待できるからです。上げでも下げでも、どちらでもバイトが得られやすいのがセミロングジグの利点です。
サクラマスにジグを追尾させることに成功し、次のバイトに持ち込むまで魚を飽きさせずに見切られないためには、動きを止めることなく誘い続けられるセミロング形状は使い易いということもあります。しかし、決定的なアピールに欠ける点もあると思います。跳びもフォールも優等生なセミロングジグは、平均点は高いけれど突出したアクションがないのかもしれません。
その点でロングジグは抜群の跳びのよさがあり、ストンっとフォールに移行するためにジグアクションにメリハリが付きます。サクラマスの反応が遠い場面にはジャカジャカ巻き~大きくジグを飛ばしてリアクションバイトを得るなど、ロングジグのメリットが遺憾無く発揮される場面もあります。セミロングジグとのアクションの違いもサクラマス攻略には有効なトリガーとなり得ます。
ジグの重さ
釣りをしていて、なんだか今日はジャークのノリが悪く釣れない。そんな時はジグのウェイトを重くするのも有効なトリガーとなります。ジグは重くすることで跳びの鋭さが増し、フォールのキレもよくなります。
併せて、ジグが作り出す水流や波動も強くなりますので魚によりアピールすることが可能です。いつも同じウェイトのジグばかり使用すると釣りの幅は広がりません。水深に対して重すぎるウェイトのジグでも、条件や意図的に強い釣りを試みる場面では有効な戦略となります。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>