今回は解禁から5月までの渓流の季節別攻略法を解説しよう。季節の進行とともに狙う流域や反応のいいエサ、ヤマメの着き場にも変化が出てくるので、ここでしっかり予習して本番に臨んでいただきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
5月は臨機応変に攻める
ゴールデンウイーク期間中の有名河川は釣り人で荒らされ、なかなか釣果も厳しくなる。これはこれで気難しい渓流魚との駆け引きと割り切って散々攻められた先行者の後を工夫しながら釣果を上げていく面白さもある。釣れない時でも、新緑のすばらしい景色のなかで釣り人をいやし、リフレッシュできる。
ゴールデンウイーク後は、釣り荒れから極端に魚影が薄くなる傾向にある。まったくダメの場合は、支流のまた支流のようなB級河川で思わぬ釣果が得られるので試してみてほしい。
この時期から、体力をつけたヤマメは、荒瀬など流速のある白泡の中やひざ下のチャラ瀬にも入っており、一面がポイントになる。ポイントは、基本下層の底波だが、落下する陸生昆虫や羽化したカゲロウにも目を向けているので、活性に応じて表層を流す臨機応変さも必要。
テンカラ釣りも楽しい
また、この時期は毛バリ釣りも非常に楽しめる時期であり、エサ釣りはひと休みして、日本伝統釣法でもあるテンカラ釣り(毛バリ)を楽しむのも一考だ。毛バリに向かって水面を割る瞬間はエサ釣りにはないスリリングさがある。
本流域~里川では、水温も上がり、外道のウグイやカワムツ類が活性化して釣りづらくなってくる。アタれば超幅広な尺上ヤマメ・アマゴが顔をだす。狙いめは雨後でミミズを使っていきたい。梅雨入りまでの渇水期は警戒心も強く、見慣れたブドウ虫やミミズだとなかなか食いついてくれない。ここぞという時はヒラコ(ナデ虫)を主なエサに対応したい。
源流域も本格化
また、九州脊梁山地の水系の源流域では、遅れて新緑の季節を迎え、源流釣りの本格シーズンを迎える。苔むした原生林の中で出会う在来種の天然ヤマメは、下流の放流ヤマメとは異なり、パーマークが円形に近く、魚体も色濃く大変美しい。
源流のエサは川虫にこだわらなくてよい。日ごろからエサの少ない源流域では、流下してくるエサには、何らかの反応を示すのでブドウ虫やキジで十分だ。
<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>