いよいよ渓流のシーズンがやって来た。今回は初期の放流物から、盛期のヒレピン、本流の大物までシーズンを通した楽しみ方を紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)
4月以降は上流のヒレピン狙い
次に4月以降のヒレピン狙い。本流の上流域、各支流が狙いめになる。エサはカワムシ(キンパク、ヒラタ、ピンピン)が圧倒的に有利だが、この時期にはエサ取りも出始めるため、多めに持参するとともに予備にブドウムシも用意しよう。カワムシは釣行する河川の現場で捕れればいいが、採取するポイント(川)を作っておこう。
仕掛けは圧倒的に細仕掛けが有利で、ポイントはオモリだ。初期の成魚放流物は流れの緩い底にエサを沈めるため少し大きめを使うが、ヒレピンは流れのある瀬を狙うので、エサを自然に流すことが一番大事になる。
水中イトを細くすれば小さなオモリで自然に流すことができる。オモリが大きく、エサを引っ張るような流し方では魚に見切られることもある。
流すコツは目印だ。一番下の目印を水面ぎりぎりに設定し、サオ先で仕掛けを持ち上げないように自然と仕掛けを流し、水面の流れより目印がゆっくり流れるように調整する。
軽い仕掛けを使う場合、軟らかいサオが有利だ。カワムシが孵化(うか)するシーズンで、魚が水面を意識すると仕掛けを水面直下に流すことも有効。この時期のヒレピンは引きも強く、虫を食べてよく肥えている。
増水の後はミミズが有利だ。ミミズを使う場合は、少し大きめのオモリを使い、アワセもワンテンポ遅らせるといい。
先行者優先&装備は万全に
渓流のマナーで大事なのは先行者優先であること。基本釣り上りだから先行者がいるときはその人の上流に入る場合、釣るエリアを確保して入川する。釣り場にもよるが、自分が釣る距離をイメージして距離を開けるようにしよう。
もう1つの天然物狙いに源流域がある。源流で注意すべきは、まず単独行は絶対にやめよう。特に初めての人は経験者と同行すること。滝などを高巻きする所もあり、滑落の危険もある。
装備も最低限20mザイル、5万分の1の地図、ライト、非常食は持参しよう。前述した通り先行者優先だ。車止めには夜明け前に着いて、夜明けとともに先着者に沢割をしてもらって、ポイントを決めよう。
過剰なキープは控えよう
源流域で特にお願いしたいのはキープサイズとキープ数だ。キープサイズは河川、県によって決められており、一般的に12cmと定められている場合が多いが、個人的にはハリをのんだとき以外は16cm以上、あるいはキープは10匹と決めている。一部を除き源流域は純粋に自然孵化した魚だけなので、乱獲してしまうと魚がいなくなる。
源流域はエサが少ないので、食いがいい。そのため釣り人によって、魚がいなくなった沢をいくつも見てきた。私も釣った魚を放しているが、なかなか復活できない。また楽しませてくれる自然に感謝し、ゴミも絶対に捨てないでほしい。