大きくて美味なことから高級食材となっている「平貝の貝柱」。その本体であるタイラギは、他の魚介とは全く違った方法で漁獲されています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
貝柱の王様・平貝
タイラギは流通の場では「平貝」と呼ばれることが多いです。そもそもタイラギも「たいらがい」がなまったものだという説があります。
主に食材となるのは、大きな貝柱。2つある貝柱のうち上方に位置するものが大きくなり、ときに5cmを超えることもあります。この大きさや、かつては東京湾にも多産したことから江戸前寿司ネタとして珍重され、冷蔵技術が未熟だった頃はホタテガイよりメジャーな貝柱だったそうです。
その味ですが、甘みが強く、非常に美味で「貝柱の王様」とも呼ばれています。現代でも特に寿司ネタとして珍重されているほか、刺身用はもちろんのこと、イタリアンのカルパッチョの材料としても需要があります。もちろん煮たり焼いたりしても美味しい貝ですが、高価なので基本的には生食されることが多いようです。
貝柱以外も美味
タイラギは貝柱のみで流通することが多いため、その他の部位は食べられないと思っている人も多いようですが、実際は小さい貝柱やワタ、ヒモなどはバターソテーにするととても美味しく食べられます。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>