愛知県・衣浦港で、闇に潜む大物をエビまき釣りで狙った。この日は満月のため海面が明るく照らされ、獲物は岩陰や貨物船の下に隠れてエサを捕食しないのではないかと心配したが、唇ぷっくりコショウダイをゲットしたのでレポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・永井博文)
衣浦港でエビまき釣り
11月中旬の夜、地元の筏川で大型魚を狙うためにエビを採取し、南区の高砂屋で元気な虫エサを購入して愛知県・半田緑地公園へ向かった。
日付変更とともに干潮となり、朝マヅメの午前6時すぎに満潮となる。海底トンネル北側の堤防は釣り師の車が鈴なりだったので、以前アオハタを上げた衣浦港務所ゲート前に陣取った。
現在は石畳が海面から顔を出していて釣りにならないが、一箇所だけ釣った魚をすくい取ることができそうな場所を発見。石畳の角から一気に水深があると思われる。
また、この場所は潮が満ちると海流がぶつかりエサとなる小魚が集まる。
海流がぶつかると書いたが、海中の酸素は1lにわずか4mmlしか溶けていない。波が砕けて泡立つサラシと呼ばれる、より多くの酸素が溶けている場所、水がかくはんされて大気中の酸素を引き込んでいる場所にはエサも多い。こんな場所に魚が集まるわけだ。
雨の一滴も水面を打つ瞬間に200個もの泡を作るので、雨の後は大釣りの期待が高いと昔テレビで解説していた。
セイゴ連釣
早速エビをまくが、近くに有刺鉄線があるので注意が必要。釣果があれば、他の獲物が逃げないようにエビをまく。関西中心に行われるエビまき釣りで大物を狙う。
採取してきたエビの中からふっくらしたエビを選び、尾っぽを落としてハリに尾掛けにする。
投入場所は、貨物船が停泊している場所のすぐ手前で、港務所の壁に当たるほどヘチ寄り。ウキ下は根掛かりを警戒して時間とともに長くしていく。
ウキは潮の加減か少しずつヘチより西方向へ流されていく。やがてウキが海中に沈んだためイトを巻き上げると、ハリをのみ込んだ30cm弱のセイゴがエラ洗いをしながら顔を出した。
ハリスがよれてしまったので仕掛けを作り直し、さらにしっかりとエビをまき、元気がいいエビをハリに付け直して同じ場所へ投入する。その後もセイゴが続いたが、リリースサイズばかりだった。
コショウダイ顔出し
ところが1時間後、ウキが海中に消え、一気にサオ先が引き込まれた。アワせると、魚が掛かったようでハリを外そうと暴れている姿が手に取るように伝わってくる。これは大物の予感。
サオは弧を描きながらミシミシと悲鳴を上げているが、なかなか浮いてこない。獲物は最後の力を振り絞って逃げようとしたが、やがて力尽きたのか落としダモにゴロリと転がり込み、お持ち帰り第1号となった。早速、唇の分厚いコショウダイを発泡スチロールヘ入れてブクブクのスイッチオン。
この釣り場所は、潮が満ちているときは魚の取り込みが楽だが、それ以外は堤防から水面まで高さがあるため私は落としダモを使用している。