誰もが挑戦できるゲームフィッシングとなりつつある深海ジギングですが、これにはタックルの進化が大きく貢献しています。今回はとりわけ「低深度PEライン」にスポットを当てて紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
深海ジギングはハードル高い
一部のマニアだけの釣りと思われている深海ジギングですが、釣りブームの浸透とタックルの進化で、誰もが挑戦できるゲームフィッシングとなりつつあります。それでもなお、深海ジギングに挑戦するには、高いハードルが存在していますが、色んな釣りを経験したアングラーが行き着く所は、マグロや深海などのトップエンドの釣りなのかもしれません。
タックルの進化
1000mまでの水深でもジギングが可能となった背景には、タックルや釣法の進化によるところが大きいと思います。伸びの少ない低伸度ラインやスローピッチジャークの広まり、スロー系ジグの形状など、多くの要因が合わさって、深海でのジギングが成立するようになりました。
もちろん、そんなタックルの進化があった上で、深海でのジギングに挑戦したトップアングラーのトライ&エラーがあって、今日の深海ジギングが成立していることも忘れてはなりません。
低伸度ライン
タックルの進化という点で、とりわけ重要なのが伸びの少ないPEラインです。
一般的なPEラインの伸び率は5%程度。つまり、100mの水深の底までジグを落とし根掛かりしたとしてラインを引っ張れば、5mもラインが伸びます。200mなら単純に10m伸びるわけで、リールからラインを出せば出すほど、どんどん伸びる長さは長くなります。
普段は特に意識することのない、このラインの伸びを実感するのが根掛かりの時。深海など200mを超えると、根掛かり時にラインを切ろうとしても、なかなか切れなくて四苦八苦します。ラインの伸びをギリギリとリールに巻き込み、ドラグをフルロックしてもラインはそう簡単には切れるものではありません。どこまでも伸びるラインを引っ張り切ることがこんなにも大変なのかとつくづく実感します。
低伸度ラインの伸び率は3%前後ですが、この2%の違いはとても大きくて、根掛かり時、ジグ着底の感度、バイトの瞬間にハッとするほど、その違いを感じることができるのも深海ジギングだからこそかもしれません。
試行錯誤は終わらない
今後もタックルの進化は続くでしょう。アユ釣りで用いられる金属イトなどは強度、伸び率では大いにメリットがありますので、PE原糸とのハイブリッドラインなどの可能性もあるかもしれません。
深海ジギングをターゲットにしたロッドも次々とリリースされるようになりましたし、リールもより深海にマッチしたものが出るかもしれません。
タックルのさらなる進化とそれに伴った釣法の確立、そして深海ジギングに挑戦する多くのアングラーの熱意があれば、将来的にもっと簡単にもっと楽しく多くのアングラーが深海ジギングを楽しめる時代がくるかもしれません。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>