クロダイといえば誰でも気軽に狙えるということで、非常に人気のあるターゲットではないだろうか。今回は波止からのフカセ釣りでの狙い方を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 鈴木規之)
重めのオモリでナジませよう
釣り方で一番重要なのは、仕掛けをしっかりとナジませてさしエサを安定させることだと思う。ではナジむというのはどういう状態かというと、まずは遊動部分が落ちて、ウキ止めがウキに接している状態になること。そして、メインのオモリからハリまでが45度以下まで落下して、ウキに仕掛け全体の重みが乗っている状態だ。
しかし、軽い仕掛けを使うフカセ釣りでは、意外とナジませることが難しい。風や表層の流れがサオ先からウキまでのミチイトを引っ張ってしまうことで上方向への力が働き、オモリやハリ、ハリスの重量でナジもうとする下方向への力を打ち消してしまうからだ。
軽くミチイトにテンションをかけただけで、たちまち潮受けが浮き上がってウキにくっついてしまうようでは、ナジんでいない可能性が高い。他にもウキの状態や動き、潮受けとの位置関係、仕掛けを回収するときの状態などで判断するのだが、慣れないうちは難しい。
ではどうすればいいかというと、初めのうちは3B程度のウキで重いオモリを使うことをお勧めしたい。そして投入後にミチイトを風上、潮上に置き、あとはミチイトを張りすぎない状態を保てばいい。これで多くのケースではナジませることができるだろう。
確かにゼロでナジむときはゼロ、G2でナジむときはG2を使った方が有利なこともあるが、ナジんでいないよりよっぽどましだ。風がない、表層の流れも緩やかでウキが動かないなど、仕掛けが舞い上がってないと判断できればBやG2を使えばいいし、このあたりは何度か繰り返して状況が判断できるようになれば、適切な負荷のウキを選択できるようになってくる。
ガン玉の調整も重要
次にガン玉の打ち方だが、これも仕掛けをナジませるための一環となる。さしエサがタナまで届いて安定している状態、風や上潮の影響でさしエサが舞っていない状態にすればいい。
例を挙げればミチイトとハリスの境に2Bを打ち、ハリスの中間にG3、またはミチイトとハリスの境にBを打ち、ハリスの3分の1の位置と3分の2の位置にそれぞれG3でやってみると、比較的多くの状況で対応できるだろう。ただ、これが万能、正解というわけでもないので、海中の仕掛けの状態をイメージしながら、いろいろと試してほしい。
また、抵抗を少なくするため、できるだけ浮力を殺すことも大切である。例えば3Bのウキに3B+G4のガン玉を打ってもギリギリ浮いていることもある。どれだけ余浮力があるかはウキによっても違うし、海水の塩分濃度や潮流などその時の状況によっても違ってくる。現場でガン玉を追加したり、付け替えたりしながら調整したい。ウネリの山でウキがシモるくらいが目安だ。
タナ
クロダイは底を釣れと言われているが、実際には中層や上層で釣れることも多い。ただ、秋~冬ということであれば、底ギリギリから3分の1までの範囲を中心に探ればよいと思う。水深を測るためには、ハリスの先端にウキの負荷よりも重いオモリを付けて仕掛けを投入する。ウキが沈めばウキ止めの位置より水深が深いし、ウキが浮いていれば逆になる。
ウキ止めを動かしながら何回か投入して、ウキがギリギリ沈まない状態になれば、ウキ止めの位置までが水深になる。こうして何カ所か水深を測り、大体の海底の状態を把握しておきたい。