ジギング用のメタルジグには多彩な形状のものがある。今回は、近海ジギングで出番が多い各タイプのジグについて、その特徴や基本的な操作方法について解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部)
セミロングタイプ
同重量で比べるとスタンダードタイプより長さがあるが、いわゆるロングジグよりも短いものをいう。
ロングジグは派手なスライドアクションやダートアクションが持ち味だが、セミロングタイプはこれよりも動きを抑えつつ、魚が食いやすい大きさに調整されたイメージだ。
このジグが活躍する場面は、
1、青物が比較的大きなベイトを追っている
2、プレッシャーは低いが食い気がイマイチで捕食スイッチを入れたい
3、朝一番、フレッシュな魚を相手に大きめのシルエットでジグを目立たせたい
こういったケースだ。
セミロングのジャークのしかた
ジャークのしかたは、魚の活性や追われているベイトによって異なるが、基本はワンピッチジャークで動かす。
ジャークとジャークの合間に、瞬間的にラインスラックを生じさせ、ジグを回頭させながらジグザグ起動で誘う方法もあれば、スラックを生じさせずにジグを直線起動でヒラヒラとミノーのように泳がせる方法もある。これは、追われているベイトや青物の捕食傾向で異なるので使い分ける。
ちなみに、ラインスラックが発生したときジグは横を向き、海中で漂うような状態になったり、スライドを起こす。この間が青物の捕食タイミングで、この間隔をどのくらい設けるかでヒット率が大きくかわることも多い。
同船者によく釣っている人がいたら、その人の食わせの間や、ラインの動きを見ると大きなヒントが得られるだろう。
なお、タチウオの仔がエサになっている場合、タチウオは直立姿勢でヒラヒラと泳ぐため、これを模したジャークを意識しよう。
ショートタイプ
ずんぐりしたタイプで、小型のベイトを捕食しているときに活躍するタイプだ。
重心がお尻のほうにあるタイプは、フォールの速さが特徴のほか、ボディの振り幅を抑えたアクションで、遊泳力の弱いベイトを演出して、スレた魚、派手な動きを好まない魚を攻略するとき威力を発揮する。
一方で、重心が中央か、前方寄りにあるタイプは、後方重心タイプよりもフォール中のアクションのアピールが強く、スロージギングなどフォールで食わせる釣りで活躍する。
木の葉型タイプ
平べったい見た目からも、ヒラヒラと泳がせて使うジグであることは、想像しやすい。近年のこのタイプのジグは、スロージギング用に設計されたものがほとんど。ゆえに、ここではスロージギングでの用途について紹介していく。
このタイプのジグの最大の強みは、ゆったりしたジャークにもよく反応し、アクションを起こすこと。そして、フォール時のアピール力が極めて高いことだ。
反面、激しく動かすとジャークに反応しすぎてジグが暴れ、アクションを壊してしまう。
木の葉型ジグの操作法
基本的な操作の仕方は
1、ロッドで大きくリフトしたあと、ストンとロッドを下げてラインスラックを生じさせ、スラック分ジグが沈んで停止する直前に、素早くリールを巻き次のリフトに移る。
2、ワンピッチでジャークする場合は、ロッドの胴にジグの重みを乗せながら、ふわりとシャクリ上げ、ジャークの頂点で手首で「ピンッ」とジグにインパクトを与え、ロッドを下げながら弛んだラインを素早く回収し次のジャークに移る。
2を連続して数m続け、最後に1を組み合わせて行うのも効果的だ。
また、このタイプのジグは、小さなロッドアクションでもよく泳ぐので、ハーフピッチ以下のロッドアクションで、狭いレンジをち密に誘うときも威力を発揮する。数m小刻みに誘い、最後に先述の1を組み合わせるのも有効だ。
なお、木の葉型のジグが有効なベイトパターンは、サッパやコノシロ、アジなど扁平なボディの小魚や、イカなどがエサになっているときだ。
まとめ
以上がジグの形状で異なる特性や、操作の基本だ。
釣行時、船長お勧めのジグをせっかく買っていっても、操作の方法が正しくないと必ずしも釣果はついてこない。今回の解説を参考にしてもらうとともに、船長に「そのジグをどのように操作して釣れたか」も忘れず確認しよう。