今回のテーマは「キミもやってみよう大型釣り」。千葉県君津市にある亀山湖では舟釣りで手軽に大型が狙えるフィールドだ。尺半はおろか時には夢の50cmオーバーも顔を出し、大型狙いの釣り人が全国から押し寄せる。だが誤解しないでほしい。大型釣りは決して特殊な釣りではない。ちょっとの工夫と運(タイミング)さえ合えば、誰でも記録を更新できるのだ。そんな釣りを戸張が指南する。「キミもやってみよう大型釣り」第1回は実釣編。
午前5時に出舟
6月22日(金)、ボートハウス松下から午前5時に出舟する。
天候は曇り時々晴れ。水位はほぼ満水。
舟は同店最長の14フィートタイプ。
水位がほぼ満水なので岸から離れた水中立木などが露出していない。そのため張り出した木の枝などに舟の舳先を縛るので、できるだけ前に出ないと頭上のスペースが確保できず竿振り(とくに魚が掛かった時の取り込み)が難しくなる。
笹川方面に向かって舟を進めながら、途中でモジリがあれば竿を出してみようとのプランニング。しかし竹ヤブ、川面台、トンネル下、サッタ下のいずれも時間をかけて見ていたが、モジリは一つも発見できなかった。直近の雨で水位が上昇したため、魚が上流部に移動してしまったのだろうか。
ポイントへ到着
小月橋をくぐり笹川を上ると、通称・倒れ杉~第二クズレにかけてモジリが多発していた。
しかし先釣者が多いので混雑を嫌った戸張は、モジっているエリアの最上流左岸の張り出した木に舟の頭を縛り、やや下流方向に舟を斜め着けする。
なぜ真っ直ぐ沖に着舟しなかったのか?
「下流方向への流れが強そうだったのと、モジリが岸寄りだったので」
右岸に比べて水深が浅い左岸。戸張の位置だと21尺竿では底に届いてしまうポイントだ。
実釣スタート
底狙いはコイやニゴイが多いので、タナを切るため、まずは17尺竿チョウチンで様子をみる。エサはマッシュ系の両ダンゴ。
6時半にエサ打ちを始めると、驚くことに数投で触りが出始める。そして開始わずか20分で尺前後の放流ベラがヒット。
その後もウキは動きっきりで、同サイズをポツポツ追釣する。
「狙っているサイズではありませんけどね」
あまりにもウキが動き過ぎるので「このタナには放流物しかいないのか」とあきらめかけた7時20分、ついにそれまでとは異質の強い引き。
上がってきたのは目測44cmクラスで、周囲では初めての型物だった。このサイズが出るなら、このタナで粘る価値はありそうだ。
ところが、以降はまたも放流ベラだらけ。
「ウキが動けば楽しい」と話していた戸張も、さすがに閉口。
19尺竿のチョウチンへ変更
触りが少ない状態からいきなりアタってくることから、タナがもっと深いのではと推察。エサはそのままで、ウキだけサイズを大きくした19尺竿のチョウチンに替える。
再開すると、17尺の時より泡づけが多く出始める。もちろんそのすべてが本命ではなくコイやマブナなどもいるが、何か魚がウキの下にいることは間違いない。
だが2尺上ではあれほどウキが動いたのに、今度はエサ打ちを繰り返してもノーピク。
そして厄介者がヒットしてしまう。重量感がハンパじゃなく、しかもなかなか顔が上を向かない。
「コイですね」
顔を見るまでは分からないなどとやり取りをしていると竿を折られてしまうので、竿尻を水面に滑らせてすばやく糸をつかんでハリスを切る。
だが1尾掛かったくらいで動じる戸張ではない。コイと巨ベラは混在している可能性が高いので、そのままエサ打ちを続ける。
しかし10時を過ぎると放流ベラはおろかコイやマブナさえもアタらなくなり、日中の食い渋りタイムに突入する。
「でもモジリだけは相変わらず沖めで出ているんですよね」
場所移動で吉と出るか
そこで16尺竿のタナ2本なども試してみたがウキは動かない。そうこうしていると下流で24尺竿を振っていた人が47cmを上げたと連絡が入る。
戸張から100㍍離れた同じ左岸だが、それでも水深が異なるので24尺が振れるのだろう。
深いタナが正解か。
しかし今のポイントでは21尺でも底に着いてしまうので、13時40分に移動を決断。〝ヨンナナ〟を釣った人のさらに50㍍下流の左岸に着舟し21尺竿を継ぐ。
再開して30分ほどで触りが現れたので期待は高まったが、釣れるのはまたもや放流ベラ。
このまま納竿まで粘ったが、型物が竿を曲げることはなかった。
釣果は44cmが1枚だった。
<戸張 誠/TSURINEWS編>
ボートハウス松下