夏を代表する高級魚『ハモ』。いったいどんなサカナでどんなところに生息しているか調べてみました。
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ハモってどんなサカナ?
ハモというサカナをご存知の方も多いとは思いますが、改めてハモとはどんなサカナなのか見ていきましょう。
まず、ハモは「ウナギ目・ハモ科」の属するサカナです。
普段は水深は100mくらいまでの、岩が転がっている砂地に生息しており、昼は岩場に隠れ、夜になると活動する夜行性のサカナです。
ハモは西太平洋からインド用あたりの熱帯地域に生息し、日本では中部以南に生息しています。
関西圏の方には馴染みがある一方、関東の人にはほとんど馴染みがなく、「一度も食べたことが無い」なんて人も一定数いるのが現状です。
ハモの大きさや性格
ハモは非常に大きくなることでも有名で、大体の個体が全長1mくらいなのですが、稀に大きく育つものもあり、2mを超えて育つこともあります。
また、顔つきからもわかる通り、ハモは非常に凶暴なサカナです。
とても鋭い歯が生えており、この鋭い歯で他のサカナを捕まえて食べているのですが、漁で捕まえたあとに人間に嚙みついてくることもよくあります。
噛まれてしまうと流血は避けられない程のケガをしてしまいます。
ハモの名前の由来
ハモの名前は諸説ありますが、最も有力なのは「食む(はむ)」という言葉に由来するという説と、「歯持ち」に由来するものです。
どちらにも共通しているのは、歯に関係しているということです。
昔の人からしてもその歯は特徴的で印象に残るものだったことがうかがえますね。
ハモの美味しい時期は?
美味しくなってくる旬の時期は8~9月の夏季節。
この時期になるとより脂が乗って美味しくなります。また、夏になると価格が少し安くなりますので、高級魚ではありますが手が出しやすくなりますね。
身だけではなく、卵巣や胃袋などもとても美味になりますので、旬になったら是非食べてみましょう!
また、8~9月が旬ではありますが、実は産卵後のハモもとても美味しいとされています。
というのも、ハモは産卵が終わると、失った体力の回復を図るために食欲が増し、身に脂が増えていきます。
ただし、皮が暑く、骨も太くなる時期でもありますので、調理は多少難しくなります。
出来れば旬のハモを食べたいですね。
京料理の代表的食材
江戸時代、まだ交通網ができあがっていない頃は、行商人が食料などを運んで売りに来ていました。
当時は兵庫の漁港からサカナが運ばれていましたが、京都まではかなり距離があり、夏になると新鮮なサカナを京都まで運ぶことが出来ませんでした。
しかし、ハモだけは強い生命力のおかげで京都にたどり着くまで元気に生き残っていたといいます。
そのため、今に至るまでハモは夏の京料理の主役として重宝されているのです。
祇園祭とハモの関係
ハモの旬である夏には、京都では日本三大祭の一つでもある「祇園祭」が開催されます。
実は、この祇園祭は別名「ハモ祭り」と呼ばれるほどハモと深い縁があるのです。
かつて、京都の商人は祇園祭になると鯖寿司を商家にもっていき、そのお返しとして商家は「ハモ寿司」を贈るという習慣がありました。
その名残からか、祇園祭期間中はかなりのハモが消費されるのです。
約8tにも及ぶハモが市場に入荷されるのだとか。
京都市民にとって夏の一大行事である祇園祭を乗り切るのに、ハモは必要不可欠のようですね。