夏が旬の『ハモ』の生態 刺身で食べない理由は血液に含まれる毒?

夏が旬の『ハモ』の生態 刺身で食べない理由は血液に含まれる毒?

夏を代表する高級魚『ハモ』。いったいどんなサカナでどんなところに生息しているか調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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その他 サカナ研究所

血液に毒あり

意外と知られていませんが、ハモの血液には毒が含まれています。その毒の名前は「イクシオトキシン」と言い、食べても即死するというわけではありませんが、腹痛や下痢を起こす危険なものです。

この毒は、多くの毒を持つサカナのようにトゲにあるものではなく、血液に含まれているのです。血液に毒があると聞くと、あまり危険な感じはしませんが、ハモを捌いている最中などに手に血が付き、その手で何かを食べたり、目をこすったりすると非常に危険なのです。

目に関していえば、量によっては失明する危険性があるほど。調理時には細心の注意が必要です。

一方で、このイクシオトキシンは熱に弱く、加熱することで分解することが出来ます。ウナギやアナゴも同じように血液中に毒を持っています。ハモも同様に、焼いたり蒸したりすることで美味しく食べることが出来るわけです。

美味しいハモを選ぶコツ

ハモは綺麗な白身魚で、味も白身魚らしさがあるのですが、意外と脂質も多いので濃厚な味わいです。

大きい個体ほど美味しくなり、雌雄で言えばメスの方が美味しいとされています。オスの方が脂質が少ないのであっさりとしているので、購入できる場合は好みで選ぶといいでしょう。

鮮度のいいハモは体の表面が輝いており、透明感があります。反対に鮮度が落ちてくると、白っぽい膜のようなものがあらわれるので、購入する際はよくよく観察することをお勧めします。

<近藤 俊/サカナ研究所>