オホーツク海ウトロにてマニアックで貴重なカラフトマス釣行。本命手中のほか、ヒグマにオジロワシも登場で世界遺産知床らしい自然を満喫できた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター前島宣秀)
ウトロのカラフトマス釣り
知床半島太平洋側羅臼は渡船をメインに賑わうカラフトマス釣りであるが、オホーツク海ウトロ側は定置網が張り巡らされる。
自主規制で網が撤去されるお盆の三日間のみに楽しめる、とてもマニアックで貴重な釣りを紹介しよう。
第八平成丸について
オホーツク海をピンクの船で操船する有名な第八平成丸の瀬川船長は知床半島の反対側の羅臼でもその名声を轟かせる程の凄腕船長である。
そのためいつも予約がいっぱいで、9月のライセンスで行うシャケ釣りやこのカラフトマス釣りは常連客を中心に1年先は当たり前、二年先の予約を入れており、予約が非常に困難である事を最初にお伝えする。筆者も来年度の予約はもちろん済んでいる。
当日のタックル
竿はLATEO・R100ML、リールはCALDIA・LT3000CXHにPEライン2号での釣行である。今回、色々とこの釣りについてご教授頂いた網走市の吉田さんはカラフトマスの名手であり、分からないことは吉田さんに聞けと船長に言わしめるほどだ。自作の直結棒ウキ、仕掛けを一式ご提供頂き釣行、ご許可を頂いたので仕掛けを公開する。
ウキは8号の直結棒ウキ(アイが上部にもある)、ハリスは6号70cmから1m、フカセ針17号、ちもとにガン玉3Bを打ち、上から1.5号赤タコベーである。遊動タイプと比較すると風の抵抗で飛距離は数mの開きが出ただけでなく、ピンポイントに狙えるメリットがある考え抜かれた優れものだ。
満点の星空なか出船
8月15日、集合は夜中の2時ウトロ港、満席の8名、準備が出来次第の出船となった。知床岬に向かう船中は雲一つ無い満天の星空で、折しもペルセウス座流星群と重なり、流れ星とのランデブーであった。
8月だというのに気温は10度、走行中は確実に一桁の気温はとても縛れる。いくら夏とはいえ、朝晩はとても冷え込むので、軽い防寒は必須である。吉田さんと、ひと際元気なムードメーカーで足寄から三時間かけて一人で運転してくるパワフルなめぐみさんと三人で、到着までの約二時間、釣り談義で盛り上がっていた。
場所はルシャ湾、タコ岩を越えた先のワンドである。ここで係留してスタートする。
「よどみ」をピンポイントで狙う
前日も乗船した吉田さんは滝を挟んで右側しか釣れなかったとのことで、大きな岩の陰にあるよどみのポイントが狙い目。今年は渋いのでピンポイントでよどみを狙わないと全く釣れないと教えてくれた。
ウキルアー5人、ウキフカセは吉田さんと、その仕掛けを使っているめぐみさんと筆者の三人だ。ポイントまで40~50m、ピンポイントでよどみへ投げ込む吉田さんはさすがに名人級、早々と釣りあげていた。
ヒグマにオジロワシも登場
2年で戻ってくるカラフトマスは昨年大豊漁だったこともあるのか、今年はかなり渋く、ウキルアーで魚を散らしてしまっているのか、めぐみさんもかなり手前で待望の一匹目をゲットしていた。
軽いオモリでの正確な投げ込みは、力任せでは安定しない。竿にオモリの力を乗せて真っすぐに振り込むことが大切だ。筆者もピンポイントで色々なよどみに投げ入れ釣りあげていると、ゴロタをヒグマが魚を探しに来たが、見つからなかったようでスタスタと駆け登っていった。
そして木の上には天然記念物のオジロワシも見えるなど世界遺産知床は懐の広さを堪能させてくれた。