「人間みたいな歯」を持つサカナたち そのワケは人と類似した食生活?

「人間みたいな歯」を持つサカナたち そのワケは人と類似した食生活?

アメリカで「人間みたいな歯」を持つ魚が釣り上げられ話題となっていますが、実は我々の身近にいる「あの魚」の歯も意外と人間のそれによく似ています。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

「人間のような歯」を持つ魚

米ノースカロライナ州で”人間の歯”に非常によく似た歯を持つ魚が捕獲され、話題となっています。

「シープスヘッド」と呼ばれるこの魚は、70cm4kgほどの大きさに成長するタイの仲間の魚。額が高く、銀色の身体に横縞模様が入る姿は、日本にいるクロダイの若い頃にもよく似ています。

「人間みたいな歯」を持つサカナたち そのワケは人と類似した食生活?日本のクロダイと近い仲間(提供:PhotoAC)

彼らの口には、人間の歯に似た平らな歯が隙間なく並びます。その様子は魚であるにも関わらず人間の口によく似ており、正直不気味にも思えます。実は以前からシープスヘッドの口の写真はネット上にたびたび公開されることがあり、そのたびに世界的な話題になっているようです。   

日本にもいる同様の魚たち

シープスヘッドは「タイ科アメリカチヌ属」というグループに含まれる魚です。我が国にはこのアメリカチヌ属の魚は生息していませんが、近縁と言えるクロダイ(チヌ)属は何種類か生息しています。

彼らの口には臼歯のような丸い歯と犬歯のような尖った歯が並んでおり、シープスヘッドほどとは言えないまでも、見ようによっては人の口によく似ています。

「人間みたいな歯」を持つサカナたち そのワケは人と類似した食生活?クロダイの歯(提供:PhotoAC)

また、全く異なる種類の魚ではありますが、コブダイという魚もまた人間のような歯を持つことで知られています。彼らの愛嬌のある顔と妙にマッチした乱ぐい歯の口元は確かに「こんな人いるな」と思わせる見た目をしています。

人間と似ているワケ

シープスヘッドやクロダイは雑食性が強く、様々なものを捕食します。生きている魚を襲って食べることもあれば、貝や甲殻類を砕いて食べたり、海藻や植物性食材を食べることもあります。

そのため彼らは肉を裂くための尖った歯や、硬いもの、繊維質のものを割る・すりつぶすための歯など、などいろいろな形状の歯を持つ必要があるのだと考えられます。

「人間みたいな歯」を持つサカナたち そのワケは人と類似した食生活?歯は役割によって形が違う(提供:PhotoAC)

われわれ人間も雑食であり、肉を噛み切るための犬歯や穀物をすりつぶすための臼歯を持ち、それが整然と並んでいます。そのため、結果的に人間とシープスヘッドの口元が似ていくことになったのではないでしょうか。

もしそうであれば、これはいわゆる「収斂進化(全く異なる種族の動物の特定の部位が、進化の結果互いに似通ったものになること)」の一つといえるかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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