今さら聞けないフカセクロダイ釣りのキホン:チヌ竿の特徴と使いこなし術

今さら聞けないフカセクロダイ釣りのキホン:チヌ竿の特徴と使いこなし術

フカセクロダイ釣りには一般的に専用の「チヌ竿」が使われます。ここではなぜチヌ竿がいいのか、その特徴と使いこなし方を踏まえ解説したいと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉本隼一)

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Shunichi_Sugimoto

静岡在住の釣り好きです。季節ごとその時に釣れているターゲットを狙って一年中釣りを楽しんでいます。解説記事をメインに釣果レシピや釣行記も執筆中。

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チヌ竿と磯竿の違い

フカセクロダイ釣りでは「チヌ竿」と呼ばれるロッドが多用されていますが、皆さんは一般的な磯竿との違いをご存知でしょうか。チヌ竿は一般的な磯竿よりも胴から大きく曲がる「胴調子」で、号数も1号以下の軟らかいものが基本です。チヌ竿では0号や00号といった非常に軟らかい号数のロッドも人気があります。

一方、一般的に磯竿と呼ばれているロッドの多くはメジナ(グレ)狙いを基本に作られているため、チヌ竿よりも先調子気味に作られていることが特徴です。また、根に潜られないようにある程度のパワーが必要になるため、号数も1号以上が基本になります。

ここまでチヌ竿と磯竿の違いを大まかに解説しましたが、クロダイ狙いでわざわざパワーが少なく軟らかいロッドを使うことに疑問がある方もいるはず。たしかに、クロダイは大型になれば50cmを超える大きさに成長し、ヒット時の引きも決して弱い魚ではありません。それでもチヌ竿ならではの利点や理由があります。

今さら聞けないフカセクロダイ釣りのキホン:チヌ竿の特徴と使いこなし術フカセ釣りのターゲットのクロダイとメジナ(提供:TSURINEWSライター杉本隼一)

チヌ竿が好まれる理由4選

まずはチヌ竿が好まれる4つの理由を紹介します。

1、細いハリスが使用できる

クロダイ狙いでは1.5号前後を基本に細めのハリスを使用しますが、状況によってはさらに細い1.2号や1号を使用することも。このような細いハリスを使用しているときにロッドのパワーが強すぎてしまうと、やり取り時にハリスへ大きな負担が掛かりラインブレイクに繋がる原因になります。

柔軟でよく曲がるチヌ竿であれば、不意に魚が強く引いてもロッドの曲がりでハリスへの負担を吸収するので、細いハリスも使用しやすいことが利点です。

今さら聞けないフカセクロダイ釣りのキホン:チヌ竿の特徴と使いこなし術細いハリスが使える(提供:TSURINEWSライター杉本隼一)

2、ヒットした魚が暴れにくい

クロダイは強引にやり取りすると余計に暴れて抵抗することが多くあります。ロッドの号数が大きくなるほど浮かせる力は強くなりますが、魚に余計な抵抗を与えやすいというデメリットも。

チヌ竿は胴から柔軟に曲がり込むことで、魚に与える負荷をロッド全体で吸収しつつじわじわと浮かせることが得意で、実際にチヌ竿を使ってやり取りをすると最初は驚くほど魚が暴れにくく感じるはずです。

3、食い込みが抜群

クロダイ狙いでは遅アワセが鉄則ですが、ロッドが軟らかいため不意に勢いよく走るようなアタリでも弾きにくい特徴があります。強いアタリではロッドの3番(ロッドの真ん中)付近まで曲げ込んでいくほど柔軟で、1のような細いハリスを使用した場合にアワセ切れしにくい利点もチヌ竿の強みです。

今さら聞けないフカセクロダイ釣りのキホン:チヌ竿の特徴と使いこなし術食い込みがよくアタリを弾きにくい(提供:TSURINEWSライター杉本隼一)

4、クロダイの引きを最大限楽しめる

最後は、クロダイの引きを最大限楽しめる点です。これがチヌ竿を使う最大の魅力でもあり、柔軟なチヌ竿を満月に曲げ込んでのやり取りは快感の一言です。クロダイはメジナと異なり根に潜る魚ではないので、周囲に障害物がないようなポイントではじっくりと引きを味わえます。

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