「白身の魚はすぐバテる」と言われる。大型魚でも、青物などと比べて、白身の魚は確かにそのうち暴れ止む。でもそれはなぜ? 実は白身の魚がバテやすいわけではないらしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
白身の魚はすぐバテる?
筆者も自分の経験から言えるが、「白身の魚はすぐバテる」のは本当だ。ショアから釣れる魚はほとんど白身で、チヌ、キビレ、シーバス、タチウオ、マゴチも白身。筆者はライトゲームタックルでこれらの魚種の大型まで獲っているが、ライトライン(PEライン0.3号くらい)でやり取りする時間は、せいぜい2分程度だ。そんなに時間はかからない。
バテてプカーと浮かんでくると、こちらのもの。あとはタモ入れするだけ。陸に上げると仮死状態になってしまうような魚もいる(返してやるときにタモでゆっくりと海になじませるようにリリースすると蘇生する)。
筆者が「白身の魚はすぐバテる」という言葉を聞いたのは、バスフィッシングのアングラーからだ。確かそのアングラーが海のフィネスでヒラスズキを掛けたときに、「しょせん白身の魚だからすぐバテる」という言い方をしたのだったと思う。
居つきだから疲れやすい?
さて、「白身の魚はすぐバテるは本当」、これは間違いないだろう。では、なぜか。チヌ、キビレ、シーバスといった湾奥の大型ゲストの特徴を見ていくと、ある共通項がヒントになる。これらの魚は、一部を除いて、すべて居つきの魚なのだ。
居つきの魚はあまり泳がない。血の色が身に回りにくいため白いという説がある。あまり泳がないので体力がない。ゆえに初速こそ大型魚らしい引き込みをするが、すぐにバテるのだ。体は大きいが運動していないヒトと一緒で、見かけ倒しみたいなところがある。
バテさせる方法は?
では、フィネスでやっていて食ってきたこれら白身の大型魚をバテさせる方法とは?答えはひとつ、ドラグを使うことだ。
ドラグを滑らせて海中を泳ぎまわらせ、体力を奪う。じわじわと弱らせて獲る。ラインはどれだけ細くてもドラグを緩めに入れておけば、絶対に切れない。厄介なのは根に潜るタイプのチヌ、キビレや大型の根魚類だが、それも潜られたら少し待てば自然と出てくることもあるし、テンションを抜き気味に煽ってやるとストラクチャーの中で不規則的に体が揺れるのかブルッと出てくることがある。
ただコンディション抜群のランカー級がくると時間がかかる。シーズンの巨大魚だ。夏のチヌ、春のシーバスなど、こういう魚はフィネスだと15分程度かかることもある。それでもラインは切れない(ただリーダーを歯でやられる可能性はある)。
ボラは暴れ止まない・・
白身の魚といえばボラもそうだ。このボラだけがどうしようもない。そんなに大きくないボラでも異様に引く。沖に100mくらい突っ走ってジャンプすることもある。そしてまったくバテない。
ボラ対処としては、ラインをフリーの状態にしてやるといいと聞く。要するに引っ張られるから暴れるらしく、ラインをゼロテンションにすると痛覚のない(という説の)魚は暴れやめて、元いた場所に戻る。ボラは大体キワなんかで掛けるので、そこで浮かせて勝負する。