アジングはライトゲームの中では比較的難しい釣りである。回遊魚ならではのアジの性質や食性をふまえ、うまく群れにミートできるような「絶好の条件」について紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
マヅメ&上げ潮下げ潮
朝夕のマヅメ時はアジングの大チャンス。アジを含む回遊魚の多くは早朝に盛んに捕食を行い、夕方にまた空腹を補うための捕食を行う。もちろん日中も間歇的に食う。
捕食のタイミングに合わせてサオを出すのは釣りの鉄則だ。この時間帯に、潮通しのいいところで回遊を待とう。潮目を見てオープンウォーターに投げるのもいいが、たとえばミオ筋のような漁港の出入り口で、アジが捕食のために必然的にそこを通らなければならない場所を狙い打つのも手だ。
朝マヅメは一瞬、夕マヅメは比較的長く続く。またアジは夜にかけても釣れる魚なので、夕マヅメから釣り始めると数も獲れる。
マヅメがさらに「絶好の条件」となるべく、大きな要素として絡んでほしいのが、潮の上げ下げである。アジは上げ潮で接岸して、下げ潮で出ていくといわれる。よってマヅメに上げ潮が絡むのが、絶好の条件といえる。
新月大潮の常夜灯下
アジングの場の定番といえる常夜灯下。人的プレッシャーがかかりやすいのが難点ではあるが、光合成で植物性プランクトンが増殖し、それにより小魚も群れやすいので、確実にポイントになる。そのような常夜灯の光の効果がもっとも強く発揮されるのが、新月の大潮という夜だ。
新月とは空に月が見えない状態で、夜全体の光量が低い。そのため、常夜灯の光が水中に及ぼす影響が大きくなり、そこに魚の群れが密集しやすくなる。それが大潮という条件ならいっそう、アジの挙動がはっきりする。上げ潮で入ってきて、下げ潮で出ていく。ただげっそりと潮が痩せる時間まで群れは残る場合もあり、長く釣ることもできる。
ある程度水深があって、いわゆる「見えアジ」にならない場所ならば、小潮でも月の見えない光量が少ない夜に常夜灯効果は強く、ずっと釣れ続けることもある。
潮の行き着く先
アジは一部の居着きの群れを除いて潮に乗って回遊する。つまり潮の流れていく先にアジはいる。そして潮が漁港周りに行き着いて壁等に当たってクッションし、そこでプランクトンを増殖させ、滞留している条件となると、ほとんど終夜、捕食を盛んに行う。すなわち潮が行き着く先=プランクトンパターンとなりやすい場所、これも絶好の条件だろう。
ただ潮の行き着く先が、常に堤防の護岸等であるかはわからない。海中の地形変化、また沈み根などでクッションして、アジの溜まり場となる場合もある。そういう潮の滞留場は、水面の気泡や浮きゴミなどがヒントになる。そこで一度潮が止まっていると、水面に気泡やゴミが浮くのだ。よく水面を確認してみよう。