深場に生息するカサゴの仲間「オニカサゴ」。食べて美味しく釣りのターゲットとしても人気の魚だ。今回は、このオニカサゴ釣りのタックル・仕掛け・エサ・釣り方・テクニック等について紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
オニカサゴとは
まずはじめに、オニカサゴの生態・釣り場・シーズンなどを紹介する。
生息域・標準和名
毒を持つトゲが特徴的な「オニカサゴ」。標準和名は「イズカサゴ」。30~40cmを超える中~大型は、おもに岩礁帯や平根のある砂泥底の水深80~200mが生息域で、ヤリイカなどと生息地が似ている。大きさは最大で50cmに達する。ややこしいことに標準和名でオニカサゴと呼ばれているのは別種。こちらは浅い岩礁帯に生息している。
出船地域と時期
東北以南の本州各地で出船しているが、関東で人気が高く、外房~南房、東京湾、相模湾、東伊豆~静岡など多くのエリアで出船している。その他には東海地方や和歌山といった太平洋側のエリアや、日本海エリアなども人気。出船時期としては、特に冬場が盛期になる。
オニカサゴ釣りのタックル
次に、オニカサゴ釣りに使用する基本タックルを紹介しよう。
オニカサゴ釣りの竿
8対2~7対3の先調子。こまめな底取りと誘いを行うので手持ちが基本。ゆえに操作性のいい1.8m前後でオモリ負荷100号クラスが向く。専用竿のほか、汎用のライトゲームロッドや感度のいいヤリイカ竿、ビシアジ竿なども代用できる。
オニカサゴ釣りのリール
リールは、PEライン3~4号を300m巻ける中型電動。誘い続けることを考えると、軽量コンパクトが望ましい。
オニカサゴの仕掛け
オニカサゴ釣りでは腕長40cmほどの片天秤を使用した吹き流し式の仕掛けが主流。オモリの号数は100~150号程度が一般的だが、エリアや船宿によって異なる。釣行前に確認しておこう。
ハリと装飾
全長1.5~2mの2~3本バリ仕掛けでミキイトは6~8号、枝スは6号程度を使う。ハリはムツやホタバリ16~18号。
オレンジ夜光などのカラーバリや、チモトに夜光玉やタコベイト、チューブワームを付けてアピール度を上げるのも有効。ただし、エサ取りやサメが多いエリアでは外そう。工夫を凝らした市販の仕掛けも売られているのでそれを使うのも手。
オニカサゴ釣りのエサ
一般的に船で支給されるのは、サバの切り身。ほかに、エサ持ちのいいイカやサケ皮。カツオのハラスやシイラ、アナゴ。変わったところでは鶏の皮やイイダコの半割を使う人もいる。魚の身や皮は幅1~1.5cm、長さ7~12cmほどにカット。海中でひらひらと漂わせるため、身は薄く削ぐ。
付け方は皮側からチョン掛け。エサが海中で回らないよう、先端中央部に刺すこと。切り身にサケ皮やイカ、タコベイトなどを抱き合わせて付けるのも効果的。
オニカサゴの釣り方とテクニック
次に、オニカサゴの釣り方とテクニックを紹介する。
タナの取り方
オモリが着底したら、素早くイトフケを取る。タナは底から50cm~仕掛けの全長ぶんまで。潮が速ければ低め、緩ければ高めにする。下バリが底スレスレになるようなイメージで調整しよう。
タナを守るためにはこまめに底を取り直すことが重要。船が流れていくと、水深は刻々と変化する。急なカケアガリだったり、潮流が速い時は、より早いペースで底を取り直す。下図にあるように、これを怠ると、エサが底から離れすぎたり、根掛かりが多発してしまう。
また、潮が速いときは仕掛けが浮き上がりすぎないよう装飾を外すといった仕掛けの調整も意識しよう。
誘い方
竿先をゆっくりと大きく上下する誘いが基本。大流しで狙う場合は、時どき5~10mくらい巻き上げてから再び落とし込むのも、フォールでアピールできるほか、エサが新しいポイントに入って魚に遭遇する確率を高める。釣果に大きな差がでるので、1つの誘いに固執せず、様々な誘いを試そう。
アタリと取り込み
水深があるぶん、口が大きいわりに意外と小さいアタリが多い。竿先にコツンときたら、ひと呼吸おいてからゆっくりと聞き上げる。ここで、グングンとくればハリに掛かったサイン。何尾か固まっていることも多いので、もう一度仕掛けを下げて追い食いを狙ってもいい。もしアワセても反応が消えてしまったら、竿先を下げもう一度食うのを待とう。
ヒット後は低~中速で巻き上げ。水圧に強く、海面に上がるまで断続的に強い抵抗をみせるので、引きや波の動きに合わせて対応し、最後はタモですくうようにしよう。
ハリをはずす時は、フィッシュグリップがあると便利。ただし、取り込んだ後にのんびりしていると、口を閉じてしまう。下アゴをつかむ「バス持ち」でもいいが、歯が細かくザラザラしているので、タオルなどでつかむといい。くれぐれも毒針には注意するように。