今回の「フライお得帖」は、フライの中でも「やっぱりあれば安心」となるエッグをインスタントに自作する方法を、自称「ずぼらな毛鉤釣り師」の浅暮三文氏が解説。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・浅暮三文)
フライのエッグを自作してみよう
私は腰の重い毛鉤釣り師です。解禁になったら一般河川へ、暇ができたら管理釣り場へと夢想しつつ、いざとなったら仕事にかまけていたり、面倒に思ったりしてしまう。当然、こまめにタイイング材を買い揃えるのもおざなりで、いざ釣行と決定した際に毛鉤が足りなくて閉口してしまいます。
前夜にあわてて毛鉤を用意するのは気の重い作業なので、できるだけ簡単に毛鉤を巻く方法を常々、考えています。そんなズボラな毛鉤釣り師の成果として、フライの中でも「やっぱりあれば安心」となるエッグのタイイングを紹介しましょう。
フックにヤーンを結び止めるのが肝
エッグの巻き方は多くのタイイングブックにはヤーンを何回もフレアさせて巻き止め、各種ヘアカディスの頭のように球状に刈り上げるようにと指示されています。これは意外と手間暇がかかるし、クズが出て厄介です。そこをなんとかしようと開発したのが名付けて「インスタント・エッグ」。タコフライの亜種で、必要なマテリアルはヤーンだけです。また材質も色もお好み次第。それではさっそく手順を以下に。
1.スレッドをハリのベント方向に下巻きした後、ヤーンを適量取り、エッグを作りたいところでシャンクに結びつける。つまりシャンク上に小さな球(核)を作る。ヤーンは細く、数cm程度の紐状に。適量を数度、試すこと。
2.ヤーンを作った核のすぐ後で止める。アイの方向にある余分はカット。スレッドをアイの方に戻す。結果、ヤーンはハリの尻尾のように残る。
3.尻尾のように残ったヤーンを広げて核を包む。エッグ状になるように(ハリの下部も丸く)しながらヤーンをアイの方に持っていく。
4.核を包んだヤーンをスレッドで数度、巻き留めてフィニッシュ。余分をカットして完成。