12月になって寒グレシーズン突入。実は、ほぼ1年ぶりの磯釣りでボーズは避けたいと選んだ釣り場は南紀の萩尾。さあ、全集中でグレゲットなるか。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・田中耕ニ)
萩尾の磯でグレ釣り
楽しみにしていた寒グレチャレンジだが、天気予報では北西の風が吹くとのこと。行先を悩んだ挙句、北西に強い和歌山・串本町の萩尾とした。道中に雨に見舞われ、嫌な感じも漂ったが、港に着く頃には上がり、太陽こそ見えないが曇天の釣り日和だ。
ただ、思ったほど風は吹かなかったようで、ウネリを伴った波が磯を打ち付け、使える磯が限られるとのこと。さらに港には多くの釣り人……。「狙いの磯には乗れそうもない」とノンビリすることを目的に変更した。一番船は名礁「イナヤ」方面へ。
2番船はこれまた名礁の「平瀬」方面。最後の「コーデ」方面の渡船に乗り込む。行きたい磯があることは分かるが、我先に降りたいがために舳先に群れるのは、安全上良くないので止めた方が良いと思うのだが……。磯釣りは危険を伴う遊びだ。当日のように波のある日は、磯付けが危険な瞬間。舳先に多くの人がいると船長の視線を遮るのももちろんだが、舵も効きにくくなるので止めよう。命あっての遊びだ。
黒島に渡礁
船長が船をコーデと大首の挟まれた黒島に付けた時、1人しか下りなかったので、お邪魔させてもらった。初渡礁の磯だが、一度降りてみたいと思っていた磯だ。先に下りた常連に聞くと、コーデ向きが本命ポイントで裏向きもできるとのこと。先に釣り座を選んでいただき、地寄りに鯖戸さんが、沖寄りに私が入った。
船で見た水温は22度以上。12月だが、まだまだ秋磯の温度ですがな……。私の釣り座には、右手に大きなサラシがあって仕掛けが安定するポイントがない。サラシに乗せると左の常連のポイントに侵入してしまう。
沖向きに潮が動けば、サラシとぶつかって良さそうだが、終日はっきりした潮は流れず悩まされた。
魚がいない?
それに追い打ちをかけるように魚がいない。通常、22度もあればエサ取りわんさかで、浅ダナ勝負と思うのだが、まきエサを打っても何も出てこない。まるで厳冬期の海のようだ。これも黒潮の蛇行の影響だろうか、私が知っている海でないことは確実だ。
戸惑いつつもサラシ場を攻めるために、オーソドックスにウキをゼクトBにハリスには磯フロロ1.75号、ハリは身軽グレ5号から開始。遊動部分を50cm取って、ハリスは2ヒロでスタート。
久し振りの磯釣りで、偏光を忘れるという大失態を犯したが、海中には何もいないようで、どれだけ流してもさしエサのオキアミは残りっぱなし。どうしたものか?
釣友に強烈アオブダイ
「うひょ~」という声を聞いて振り向くと、鯖戸さんが竿を曲げている。強い引きに耐えていたが、残念ながら竿先は天を向いてしまった。次も鯖戸さん、満月のように竿を曲げてアオブダイをゲット。ここ萩尾では定番のゲストだ。
続いて2人の間の常連が小型の尾長グレをゲット。どちらも浅ダナだったと言うので、偏光を持たない私には見えないが魚はいるようだ。磯際で釣れたとのことなので、私も仕掛けを引き付けるように磯際を狙うと、マッハのウキ入れ。軽く手首を返すとギャンとリールが鳴いて、ラインが引き出される。「こりゃぁ青鬼だ」と思う間もなくラインブレイク……。こいつを仕留めるには、日論刀が必要だ(笑)。
口太グレはいずこに?
磯釣りにおいて偏向グラスは、最も重要なアイテムであることを実感。太陽も顔を出したので、なんも見えない。海からの情報がないので釣りようがない……とボヤいたら、鯖戸さんが予備の偏光グラスを貸してくれた。これでやっと釣りになる。
改めて海中を見ると、磯際深くに青や黄色の鬼……(笑)。沖にまきエサを打っても、浮き上がる魚は確認できず。本当に水温は22度もあるのか、信じられないほど、海に生命感がない。ウキ下2ヒロのままでまきエサと合わせると、スパッと乗ってきたのはコッパ尾長。これが連発するので、活性は低いものの、食う時は浮いてくるようだ。
良型尾長は期待できないので、どこかにいるであろう口太グレを狙うも、「小ナガ」連発。狙い方が違うのか……と悩みながら、28cmと31cmの小ナガをキープできた。小ナガはまきエサとさしエサを合わせた瞬間に、浅ダナで食ってきた。口太グレはいずこに?